問59 2013年1月学科
問59 問題文択一問題
毎期利益を計上している同族会社が行う次の諸施策のうち、1株当たりの利益金額の減少を通じて自社株式の類似業種比準価額の引下げに効果が見込めるものとして、最も不適切なものはどれか。
1.役員退職金の支払い
2.不良債権の処理による償却費の損金計上
3.高収益部門の分社化
4.普通配当金の増額
問59 解答・解説
非上場株式の相続税評価に関する問題です。
類似業種比準方式では、1 株当たりの「配当金額、利益金額、純資産価額」を比準要素として評価額を決定するため、配当・利益・純資産を押し下げると、評価額の引き下げにつながります。
まず、役員退職金を支給すると、会社の利益が減少しますから、評価額の引き下げ効果があります。
次に、不良債権の処理を進めると、償却費の損金計上により、「1株当たりの利益金額」と簿価で計算される「1株当たりの純資産価額」の引き下げ効果があります(帳簿上は現れてこなかった不良債権の損失が表面化し、純資産価額が下がる)。
また、会社の高収益部門を分離(子会社化)すると、類似業種比準価額の比準要素のうち、「1株当たりの利益金額」の引き下げ効果があります(「高収益=利益金額が大きい」わけですから、分離して子会社化してしまえば、親会社の利益金額は下がるわけです)。
ただし、この場合親会社には子会社の株式が交付されますので、親会社の総資産に子会社株式が計上されるため、「1株当たりの純資産価額」の引き下げ効果はありません。
最後に、普通配当金の増額は、比準要素のうち「配当金額」の増加につながり、評価額を引き上げてしまいます(評価額を引き下げるなら、比準要素の計算に含まれない、記念配当や特別配当の増額が適切)。
従って正解は、普通配当金の増額。
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