問55 2013年1月学科

問55 問題文と解答・解説

問55 問題文択一問題

宅地の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.宅地の価額は、その宅地が登記上は2筆の土地であっても、これを一体として利用している場合は、その全体を1画地として評価する。

2.専ら特定の者の通行の用に供されている私道の価額は、その私道を1画地の宅地として評価した価額の30%相当額により評価する。

3.二方面に路線がある角地を路線価方式によって評価する場合、それぞれの路線価に奥行価格補正率を乗じた価額を比較し、高い方の路線価が正面路線価となる。

4.倍率方式によって評価する宅地が不整形地である場合の価額は、原則として、その宅地の固定資産税評価額に一定倍率を乗じ、これに宅地の形状に応じた補正率を乗じて算出する。

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問55 解答・解説

宅地の相続税評価に関する問題です。

1.は、適切。宅地の相続税評価単位は、1画地 (利用単位)ごとですので、2筆の土地でも一体利用している場合は、全体で1画地として評価されます。
なお、「筆(ひつ)」とは土地登記上で土地を数える単位で、一筆の土地ごとに一つの所有権が認められます。

2.は、適切。特定の者しか通行しない私道の相続税評価額は、自用地価額の30%です(1画地の宅地としての評価額×30%)。
なお、不特定多数の者が通行する私道については、評価せず0円とします(つまり、課税対象となりません)。

3.は、適切。路線価方式とは、宅地の路線価をもとに、その形状に応じて奥行価格補正率等の調整率を適用した金額で評価する方式ですが、角地のように2方面に路線がある土地の場合、奥行価格補正後の金額が高い方が、正面路線価となります。

4.は、不適切。倍率方式とは、路線価が定められていない地域の宅地について、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価する方法です(田舎の土地に多い)。固定資産税評価額の計算過程において、不整形地等の個別事情は織り込まれているため、倍率方式で評価する不整形地の評価は、その宅地の固定資産税評価額に一定倍率を乗じるだけで、宅地の形状に応じた補正は行いません
なお、路線価方式で評価する場合は、不整形地補正率で補正します。

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