問54 2012年9月学科
問54 問題文択一問題
遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.自筆証書遺言の要件は、遺言者がその全文、日付および氏名を自書することであり、押印は要件ではない。
2.夫婦は、同一の証書で共同して遺言することができる。
3.相続人の遺留分を侵害する内容の遺言は無効である。
4.先に作成した公正証書遺言の全部または一部を、その後、自筆証書遺言によって撤回することができる。
問54 解答・解説
遺言に関する問題です。
1.は、不適切。自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文、日付および氏名を自書して印を押すことが必要です。
2.は、不適切。2名以上の者が同一証書で遺言を作成することは禁止されています。
共同で遺言を作成すると、遺言の撤回も共同で行う必要が出てきてしまうため、それぞれの遺言者が自由に撤回できなくなってしまうためです。
3.は、不適切。遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により、相続人の遺留分が侵害された場合でも、遺言自体は有効です。
ただし、相続人が遺留分減殺請求権を行使した場合には、侵害された遺留分については無効となります。
4.は、適切。遺言の撤回は、遺言書の形式に関わらず可能なため、新しい遺言書が有効となります。
また、前の遺言が後の遺言と抵触する場合、抵触部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。
つまり、遺言者は、遺言の一部だけを撤回できます。後から気が変わって「やっぱりあいつには相続させたくない!」と思えばその部分だけ撤回できるわけです。
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