問53 2011年9月学科

問53 問題文と解答・解説

問53 問題文択一問題

    遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1.自筆証書遺言は、遺言者が、その全文、日付および氏名のすべてを自書し、これに押印する方式で作成されるものであり、パソコン等で作成したものは無効である。

    2.公正証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所で検認の手続きを受ける必要はない。

    3.前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。

    4.遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により相続人の遺留分が侵害された場合、その遺言は無効である。

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問53 解答・解説

遺言に関する問題です。

1.は、適切。自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文、日付および氏名を自書して印を押すもので、パソコンやワープロ等で作成したものは無効です。

2.は、適切。公正証書遺言とは、遺言者が遺言の内容を公証人に口授し、それに基づいて公証人が作成するものですが、その作成時に2名以上の証人の立会いが必要です。
また、変造・偽造の恐れがないことから、家庭裁判所での検認が不要です。

3.は、適切。前の遺言が後の遺言と抵触する場合、抵触部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます
つまり、遺言者は、遺言の一部だけを撤回できます。後から気が変わって「やっぱりあいつには相続させたくない!」と思えばその部分だけ撤回できるわけです。

4.は、不適切。遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により、相続人の遺留分が侵害された場合でも、遺言自体は有効です。
ただし、相続人が遺留分減殺請求権を行使した場合には、侵害された遺留分については無効となります。

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