問52 2012年9月学科
問52 問題文択一問題
贈与税の課税財産等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.父が委託者である信託について、子が適正な対価を負担せずに受益者となった場合、その信託の効力が生じたときに、原則として、この信託受益権は贈与税の課税対象となる。
2.子が父から著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合、原則として、その財産の時価と支払った対価との差額は贈与税の課税対象となる。
3.離婚に際し、妻が夫から民法上の財産分与として金銭を受け取った場合、原則として、この金銭は贈与税の課税対象となる。
4.夫が保険契約者(=保険料負担者)、妻が被保険者、子が保険金受取人である生命保険契約に基づき、妻の死亡により子が死亡保険金を取得した場合、その死亡保険金は贈与税の課税対象となる。
問52 解答・解説
贈与税の課税財産に関する問題です。
1.は、適切。信託とは、委託者が信託契約や遺言といった信託行為により、受託者に自身の財産を移転し、受託者は委託者の信託目的に従って、受益者のために信託財産の管理・処分を行う制度です。例えば、重度の障がい者の親族が、自身の財産を信託銀行(受託者)に信託し、自身の死後も障がい者の生活を支えるために利用されます。
信託の効力発生時に、委託者以外の者が受益者で、受益者が適正な対価を負担しない場合、信託受益権は贈与税の課税対象となります。
2.は、適切。親が所有する資産を、時価よりも著しく低い価格で子へ譲渡すると、親が子に土地を贈与したとして、時価との差額が贈与税の課税対象となります。
3.は、不適切。離婚すると財産分与として、婚姻中夫婦が協力して築いた財産は清算して分割されますが、社会通念上相当な範囲内であれば、贈与税はかかりません。
4.は、適切。契約者(=保険料負担者)が父親で、被保険者が母親、保険金受取人が子の場合、保険金は父親から子への贈与とみなされるため、贈与税の課税対象となります。
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