問14 2012年5月実技個人資産相談業務
問14 問題文
仮に,Aさんについて平成23年12月に相続が開始した場合において,その相続開始前の贈与と相続税の関係に関して,ファイナンシャル・プランナーが説明した次の記述(1)〜(3)について,適切なものには○印を,不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1) 長女Cさんが相続により財産を取得した場合,平成21年6月に贈与を受けた上場株式の価額は,長女Cさんの相続税の課税価格に加算されるが,その価額は相続開始時点の評価額である。
(2) 二女Dさんが相続により財産(みなし相続財産を含む)を取得しなかった場合,平成22年11月に贈与を受けた現金1,500万円は,二女Dさんの相続税の課税価格に加算されない。
(3) 三女Eさんが相続により財産を取得した場合,平成22年3月に贈与を受けた住宅取得資金2,000万円のうち500万円が,三女Eさんの相続税の課税価格に加算される。
問14 解答・解説
相続税の課税価格に関する問題です。
(1) は、×。相続開始前3年以内に贈与された財産は、相続税の課税価格に加算されますが、加算される価額は、贈与時の価額です。
(2) は、○。相続開始前3年以内に贈与された財産は、相続税の課税価格に加算(贈与時の価額)されますが、これは相続や遺贈で財産を取得した場合に限ります。
つまり、相続の放棄等で相続財産を取得していない場合、相続開始前3年以内に財産を贈与されていても、相続税の課税価格に加算する必要はありません。
(3) は、○。直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の適用を受けている場合、相続開始前3年以内に贈与された財産でも、非課税枠に相当する部分は、相続税の課税価格に加算する必要はありません。
従って、贈与を受けた住宅取得資金2,000万円のうち、非課税分1,500万円は加算せず、残りの500万円が相続税の課税価格に加算されます。
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