問42 2012年9月学科
問42 問題文択一問題
民法や宅地建物取引業法等の規定に基づく、土地の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、選択肢に記載のあるもの以外の特約は考慮しない。
1.買主が、解約手付を交付した後、売買代金の一部を支払った場合、売主は、手付金の倍額を買主に償還すれば売買契約を解除することができる。
2.宅地建物取引業者が自ら売主で、買主は宅地建物取引業者でない場合、売主は、売買代金の額の2 割を超える手付金を受領することはできない。
3.売買の目的物である土地が売買契約締結後引渡しまでの間に災害により陥没した場合、民法上、買主は契約の解除または売買代金の減額を求めることができる。
4.土地の売買契約において、その土地の実測面積が登記記録の面積と相違している場合、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという特約は、買主に不利な場合があるため無効である。
問42 解答・解説
不動産の売買契約に関する問題です。
1.は、不適切。解約手付が交付されると、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は交付した手付金の放棄、売主は手付金の倍額償還により、契約の解除が可能です。
買主は解約手付を交付した後に売買代金として契約金額の一部を既に支払っていますので、契約の履行着手済です。よって売主は手付金の倍額償還での契約解除はできません。
2.は、適切。売主が宅地建物取引業者で、買主は宅地建物取引業者でない場合、売主が受け取る手付金の上限は、売買代金の2割までです。
3.は、不適切。売買契約後引渡しまでの間に、天災などのやむを得ない原因で不動産が毀損・滅失した場合は、売主は買主に対して売買代金全額を請求することができますが、買主は契約解除や売買代金の減額を求めることはできません。
ただし、特約を付けて売主が危険負担する(代金を請求しない)ことが取引上の慣例となっています。
4.は、不適切。対象面積について登記簿の記載をもとに売買し、後日実測した結果が異なっていても精算は行わない特約は有効です。
一般に、上記のような売買方法を公簿売買(取引)といい、実際の面積を測量して売買する方法を実測売買(取引)といいます。
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