問26 2012年9月学科
問26 問題文択一問題
株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.委託保証金は、金銭で差し入れることが原則であるが、一定の有価証券で代用することもできる。
2.委託保証金率を30%とする信用取引において200万円の売買取引(新規建て)をする場合、最低でも60万円の委託保証金が必要である。
3.信用取引の弁済期限は、制度信用取引の場合は証券取引所の規則により6ヵ月と定められているが、一般信用取引の場合は証券会社と投資家の間で任意に決めることができる。
4.信用取引の決済方法を差金決済と現物決済に区分した場合、反対売買による決済は現物決済に該当する。
問26 解答・解説
株式の信用取引に関する問題です。
1.は、適切。信用取引の委託保証金は、金銭だけでなく、有価証券で代用することも可能です。
よって、まず現物株を購入し、それを委託保証金として、同銘柄を信用取引することもできます(「2階建て」と呼ばれたりします)。
2.は、適切。委託保証金率とは、取引金額に対する委託保証金の割合ですので、取引金額200万円で委託保証金率30%の場合、差し入れる委託保証金は最低60万円(200万円×30%)ということになります。
3.は、適切。信用取引には、一般信用取引と制度信用取引があり、一般信用取引とは、各証券会社がそれぞれで自由に設定するもので、返済期限が長めなのに対し、制度信用取引とは、証券取引所が定めた銘柄を対象に、証券取引所の規則(返済期限は6ヶ月等)に基づく取引です。
4.は、不適切。信用取引の決済方法には、反対売買による決済(差金決済)と、「現引き・現渡し」による決済(現物決済)があります。
差金決済とは、原資産の受渡をせず、算出された損益に応じた金額(差金)のみを受け渡す決済方法です。現物決済と異なり、実際に株式と現金をやり取りせず、信用取引で利益が出れば利益分の金額を受け取り、損失が出れば、損失分の金額を証券会社に支払います。
また、現引きとは、信用取引で買った株を証券会社に現金を払って引き取ることで、現渡しとは、信用取引で売った株と同種同量の現物株を、証券会社に売り渡し、代金を受け取ることです。
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