問8 2012年9月実技中小事業主資産相談業務

問8 問題文と解答・解説

問8 問題文

X社の所要運転資金に関する次の(1)〜(3)の記述のうち,適切なものには○印を,不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

(1) 平成24年3月31日におけるX社の所要運転資金は,34,530千円である。

(2) 仕入債務回転期間が1.2倍になると,所要運転資金は13,700千円増加する。

(3) X社の売掛金が2,000千円減少すると,所要運転資金は2,000千円減少する。

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問8 解答・解説

企業の所要運転資金に関する問題です。

所要運転資金とは常時必要な運転資金の目安で、銀行融資の審査で用いられます。その会社がどれくらいの運転資金を必要とする事業構造なのかを算出し、所要運転資金の水準を確認するわけです。所要運転資金の計算式は以下の通り。
所要運転資金=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産−仕入債務(支払手形+買掛金)
※割引手形がある場合は売上債権に加算

(1) は、×。X社の所要運転資金の計算過程は以下の通りです。
売上債権=売掛金24,370+受取手形2,260+割引手形1,280=27,910
棚卸資産=商品76,400
仕入債務=仕入手形2,730+買掛金65,770=68,500
よって、所要運転資金=27,910+76,400−68,300=35,810千円 となります。

(2) は、×。所要運転資金の計算式は、以下の計算式でも表すことができます。
所要運転資金=(売掛債権回転期間+在庫回転期間−仕入債務回転期間)×平均月商

※売掛債権回転期間:売上発生から代金回収までの期間。
  売掛債権回転期間=売上債権÷平均月商
※在庫(商品)回転期間:原材料・製品・商品の仕入れから販売までの期間。
  在庫(商品)回転期間=棚卸資産÷平均月商
※仕入債務回転期間:原材料や商品の仕入れからその代金を支払うまでの期間。
  仕入債務回転期間=支払債務÷平均月商

ここで、仕入債務回転期間だけが1.2倍になると、商品を仕入れても代金を払わなくていい期間が延びたわけです。
X社の所要運転資金=(売掛回転+在庫回転−仕入回転×1.2)×平均月商
上記の所要運転資金の計算式と比べてみると、0.2倍×平均月商分だけ所要運転資金が減少することになります。
(ピンと来ない方は、「(A−B)×月商−(A−B×1.2)×月商」で計算してみてください。)

平均月商=売上高÷12ヶ月 ですので、X社の平均月商=404,960÷12ヶ月≒33,747
従って、33,747×0.2≒6,749千円、所要運転資金が減少します。

なお、仕入債務は買入債務や買掛債務ともいわれる場合があります。

(3) は、○。売掛金が2,000千円減少すると、売上債権が2,000千円減少しますから、
所要運転資金=(売上債権−2,000千円)+棚卸資産−仕入債務 となり、結果として所要運転資金も2,000千円減少します。

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