問12 2024年1月実技生保顧客資産相談業務

問12 問題文と解答・解説

問12 問題文

Aさんの2023年分の所得税額を計算した下記の表の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示して
ある。



<資料>給与所得控除額


〈資料〉所得税の速算表(一部抜粋)

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問12 解答・解説

所得税の算出税額に関する問題です。

所得税の算出税額を計算するには、まずその人の総所得金額を計算する必要がありますが、総所得金額は、大雑把に言うと、総合課税の所得を合計し、損益通算した後の金額です。

本問では、給与所得は総合課税の対象です。

まず、給与所得=給与収入−給与所得控除 です。
よって、給与所得=760万円−(760万円×10%+110万円)=574万円

ここで、所得金額調整控除は、基礎控除の10万円引き上げに伴う給与所得控除や公的年金等控除の10万円引き下げにより、扶養親族がいる人や給与と年金の両方を得ている人の負担増を生じさせないようにする控除です。
子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除は、給与収入(1,000万円超の場合は1,000万円)から850万円を控除した額の10%が、給与所得から控除されるもので、23歳未満の扶養親族や特別障害者を扶養する人が対象です。
→子ども・特別障害者の所得金額調整控除=(給与収入−850万円)×10%
Aさんには6歳で収入0円の長女Cさんがいますので、子ども・特別障害者の所得金額調整控除の対象ですが、給与収入が850万円以下ですので、所得金額調整控除は算出されません。

よって、Aさんの総所得金額=給与所得574万円

次に、所得税の配偶者控除は、生計同一で年間の合計所得額が48万円以下の配偶者であれば適用されるため、収入が給与のみの場合、年収103万円以下(給与所得控除55万円適用後に48万円)であれば、配偶者控除の適用対象です。ただし、配偶者控除の適用を受ける人の合計所得金額が900万円までは控除額38万円ですが、900万円超950万円以下では26万円、950万円超1,000万円以下では13万円と、段階的に控除額が下がり、1,000万円超で控除額0円となります(給与収入だけなら1,220万円以下なら配偶者控除を受けられます)。
従って、給与収入100万円の妻Bさんは、配偶者控除の対象です。
次に、Aさんの給与所得は574万円ですので、一般の配偶者控除として38万円の控除対象となります。
よって、(1)の正解は、380,000(円単位)

所得税の基礎控除は納税者の合計所得金額が2,400万円以下であれば48万円となり、2,400万円以上になると段階的に控除額が引き下げられ、2,500万円超では0円です。
Aさんの給与所得は574万円ですので、基礎控除48万円の控除対象となります。
従って、(2)の正解は、480,000(円単位)

資料に、所得控除の合計額は260万円と記載されていますので、
課税総所得金額=総所得金額574万円−所得控除合計260万円=314万円
算出税額=課税総所得314万円×10%−9.75万円=21.65円
従って、(3)の正解は、216,500(円単位)

最後に、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、「税額控除」ですので、所得金額を計算して算出された所得税額から、当該金額を差し引くことができます。
2023年の住宅ローン控除は、認定長期優良住宅を新築した場合、住宅ローン控除の控除期間は13年間、適用残高の上限は5,000万円(2023年)、控除率は0.7%ですので、控除額は最大35万円(=5,000万円×0.7%)となります。
Aさんの場合、年末残高2,480万円×0.7%=173,600円 が、住宅ローン控除額となります。
よって(4)の正解は、173,600(円単位)。

以上により正解は、(1)380,000(円) (2)480,000(円)
(3)216,500(円) (4)173,600(円)

問11             第5問

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