問11 2023年5月実技個人資産相談業務
問11 問題文
Aさんが、甲土地上に賃貸マンションを建築する場合の留意点等に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「Aさんが、所有するマンションについて自ら建物の管理や入居者の募集、入居者との賃貸借契約を行う場合には、あらかじめ宅地建物取引業の免許を取得する必要がありますが、マスターリース契約(特定賃貸借契約)に基づき、]社に建物を一括賃貸する場合は、宅地建物取引業の免許は不要です」
(2)「AさんがX社と普通借家契約としてマスターリース契約(特定賃貸借契約)を締結し、当該契約において賃料が保証される場合であっても、]社から経済事情の変動等を理由として契約期間中に賃料の減額請求を受ける可能性があります」
(3)「不動産の収益性を測る指標の1つであるNOI利回り(純利回り)は、不動産投資によって得られる賃料等の年間総収入額を総投資額で除して算出されます。この指標では、簡便に不動産の収益性を把握することができますが、不動産投資に伴う諸経費は考慮されていないため、あくまで目安として利用するようにしてください」
問11 解答・解説
宅地建物取引業法・マスターリース・不動産の投資判断手法に関する問題です。
(1)は、×。自分(自社)が所有している賃貸マンションの賃貸運営・管理を行う場合は、宅地建物取引業の免許は不要です。また、一括賃貸(マスターリース)方式の場合、所有者と管理会社が一括借上げ契約(マスターリース)を締結し、管理会社と入居者が賃貸借契約(サブリース)を締結するため、やはり自身が所有する物件であればマスターリースでも宅地建物取引業の免許は不要です。
(2)は、○。一括賃貸(マスターリース)方式の場合、所有者と管理会社が一括借上げ契約(マスターリース)を締結し、管理会社と入居者が賃貸借契約(サブリース)を締結するため、入居者は管理会社に家賃を支払い、管理会社は所有者に空き室分も含めた一定の保証金を支払うことで、物件の所有者は一定期間の賃料収入を安定的に確保できますが、保証期間満了後に減額請求されることがあるため、不動産収入が当初の想定を下回ることも考えられます。
なお、借地借家法では、借主に不利な特約は、無効とされていますので、「家賃を減額しない」という特約があった場合でも、普通借家契約の場合は減額請求が可能です。
(3)は、×。NOI利回り(純利回り)とは、不動産投資の収益性を評価するための基本的な評価で、ネット利回りやキャップレートともいわれます。
収益不動産における純収益(賃貸収入−諸経費)を、所有地の時価評価を含めた総投資額で割り、100をかけたものが純利回りです。
諸経費を考慮せず、単に年間収入を総投資額で割って算出するのは、表面利回りです。
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