問8 2023年5月実技個人資産相談業務
問8 問題文
Aさんの2022年分の所得税の課税に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、土地の取得に係る負債の利子20万円に相当する部分の金額は、他の所得の金額と損益通算することはできません」
(2)「妻Bさんの合計所得金額は48万円以下であるため、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます」
(3)「母Cさんは75歳未満であるため、老人扶養親族には該当せず、一般の控除対象扶養親族に該当します。母Cさんに係る扶養控除の控除額は、38万円です」
問8 解答・解説
所得税の損益通算・配偶者控除・老人扶養控除に関する問題です。
(1)は、○。不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の損失は、他の所得と損益通算可能です。ただし、不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損益通算できません。
つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということです(マンションも土地と建物の評価額に分けた上で、建物部分の支払金利のみが損益通算の対象となります)。
(2)は、×。配偶者に青色事業専従者として給与を支払っている場合、配偶者の合計所得金額に関わらず、配偶者控除も配偶者特別控除も適用されません。
従って、給与収入100万円の青色事業専従者である妻Bさんは、配偶者控除と配偶者特別控除のいずれも適用対象外となります。
(3)は、×。70歳以上の人を扶養する場合、老人扶養親族として、同居する老親等の場合は58万円、同居する老親以外の場合は48万円の扶養控除が適用されます。
いずれも生計同一で合計所得金額48万円以下(年金収入だけなら148万円以下)であることが必要です。
よって、73歳で年金収入70万円の母Cさんは、同居する老親等の老人扶養親族として、扶養控除58万円の適用対象です。
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