問9 2023年1月実技中小事業主資産相談業務
問9 問題文
法人税における減価償却等に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)X社が当期において取得して事業の用に供した減価償却資産のうち、その取得価額が60万円未満のものは、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」により、当期においてその取得価額に相当する金額を、合計金額300万円を限度として、損金経理により損金の額に算入することができる。
(2)X社が当期において減価償却資産の修理・改良を行った際の支出について、それが通常の維持管理または原状回復するための支出であれば、資本的支出に該当する。
(3)X社が当期において減価償却資産の修理・改良を行った際の支出について、それが通常の維持管理または原状回復するためのものでなくても、支出額が30万円未満のものは、修繕費として損金経理により損金の額に算入することができる。
問9 解答・解説
減価償却に関する問題です。
(1)は、×。減価償却資産のうち、使用可能期間1年未満のものや、取得価額10万円未満のもの(少額の減価償却資産)は、全額をその事業年度に損金算入できます。
ただし、資本金1億円以下で従業員500人以下の、青色申告する中小法人は、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例により、取得価額30万円未満のものも、年間の合計額300万円まで全額損金算入できます。
以前は従業員数1,000人以下が要件でしたが、2020(令和2)年4月以後は500人以下となりました。
(2)は、×。建物や車両等の、固定資産の維持管理や原状回復に支出する修理・修繕費用は、修繕費として支出時に損金算入可能です。
これに対し、固定資産の使用可能期間を延長させたり、価値を増加させる修理・改良費用は、資本的支出として、その効果の及ぶ期間に応じて減価償却します。
(3)は、×。固定資産の使用可能期間を延長させたり、価値を増加させる修理・改良費用は、資本的支出として、その効果の及ぶ期間に応じて減価償却します。ただし、一つの修理や改良等の金額が20万円未満の場合や、おおむね3年以内の周期による修理・改良等は、修繕費として支出時に損金算入可能です。
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