問1 2023年1月実技中小事業主資産相談業務
問1 問題文
Ｍさんは、Ａさんが現時点（2023年１月22日）で死亡した場合に、妻Ｂさんに支給される遺族基礎年金および遺族厚生年金の年金額と、遺族年金生活者支援給付金の額（年額）を試算した。妻Ｂさんに支給される遺族基礎年金および遺族厚生年金の年金額と、遺族年金生活者支援給付金の額（年額）を求める下記の＜計算式＞の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。計算にあたっては、《設例》の＜Ａさん夫妻に関する資料＞に基づくこと。
なお、年金額および給付金の額は2023年度価額に基づくものとし、妻Ｂさんは給付金に係る受給要件は満たしているものとする。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
＜計算式＞
・遺族基礎年金の年金額
□□□円＋223,800円＋223,800円＝（ 1 ）円
・遺族厚生年金の年金額
{（ 2 ）円×7.125／1,000×□□□月＋□□□円×5.481／1,000×□□□月}×（ 3 ）月／249月×３／4＝□□□円
・遺族年金生活者支援給付金の額（年額）
□□□円×12カ月＝（ 4 ）円
問1 解答・解説
遺族基礎年金・遺族厚生年金・遺族年金生活者支援給付金の支給額の支給額に関する問題です。
遺族基礎年金は、子供や子供のいる配偶者が支給対象で、支給要件は以下全てを満たすことが必要です。
●配偶者の場合：被保険者（夫・妻）が死亡した当時、生計維持関係にあり、子どもと同一生計。
●子の場合 ：被保険者（父・母）が死亡した当時、生計維持関係にあり、18歳未満（18歳到達年度末まで可）、または20歳未満で障害有り。かつ、結婚していない。
遺族基礎年金は、子どもの人数に応じて、支給額が増加し、子ども2人までは1人当りそれぞれ同額が加算されますが、3人目以降は1人増えるごとに約3分の1程度の加算額となります（金額は2022（令和3）年度価額）。
遺族基礎年金＝777,800円＋子の加算
※子の加算：第1子・第2子 各223,800円、第3子以降 各74,600円
従って、二男Dさんが18歳に到達する年度の末日までに支給される遺族基礎年金の支給額は、
777,800円＋223,800円×2＝1,225,400円 です。
遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者が死亡した場合、その被保険者によって生計を維持されていた配偶者および子、父母、孫、祖父母（←支給順位順）に、支給されます（最高順位の者以外には受給権無し）。
支給額は死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の４分の３で、被保険者期間が300月未満の場合は300月とみなして計算する最低保障がついています。
Ａさんの被保険者期間は、12月＋237月＝249月で300月未満のため、被保険者期間を300月とみなして計算（報酬比例部分に300／249を乗じる）することになります 。
遺族厚生年金額＝(ａ＋ｂ)×300／249×3／4
＝934,947.9?円→934,948円(円未満四捨五入)
※ａ：300,000円×7.125／1,000×12月＝25,650円
※ｂ：700,000円×5.481／1,000×237月＝909,297.9?円
最後に、年金生活者支援給付金は、消費税引上げに伴い、年金収入が一定基準額以下の場合に、生活支援として年金に上乗せ支給されるもので、老齢年金・障害年金・遺族年金の3種類に区別され、月額5,020円（2022（令和3）年度価額）を基準に、保険料納付済期間や障害等級、受給者数に応じて給付額が算出されます。
遺族年金生活者支援給付金は、月額5,020円（2022（令和3）年度価額）ですが、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5,020円を等分した額がそれぞれに支給されます。
Aさんが死亡した場合、遺族基礎年金は妻Bさんに支給されるため、遺族年金生活者支援給付金は月額5,020円となります。
遺族年金生活者支援給付金（年額）＝5,020円×12月＝60,240円
以上により正解は、(1)1,225,400（円） (2)300,000（円）
(3)300（月） (4)60,240（円）
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