問2 2022年5月実技資産設計提案業務
問2 問題文
フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)を遂行する軸として金融庁が公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」(以下「本原則」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.本原則では、金融事業者は顧客の資産状況、取引経験、知識等を把握し、当該顧客にふさわしい金融商品の販売、推奨 等 を行うべきだとしている。
2.本原則は、金融庁 が 原則のみを示し、金融事業者が各々の置かれた状況に応じて自主的に方針の策定に取り組むように促すものである。
3.本原則を採択する場合、金融事業者が策定した業務運営に関する方針は、一貫して継続する必要がある ため、定期的な見直しは不要である 。
4.金融事業者が、本原則を採択したうえで、自らの状況等に照らし、本原則の一部を実施しない場合は、その理由や代替策を十分に説明することが求められる。
問2 解答・解説
フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)に関する問題です。
フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)とは、「Fiduciary=受託者」 と 「duty=責任」 を組合せた言葉で、主に金融機関が顧客に果たすべき義務を定義したものです。
金融庁は2017年3月に、金融機関がフィデューシャリー・デューティー(受託者責任)に基づいて自ら主体的に顧客本位の良質な金融商品・サービスの提供できるよう、「顧客本位の業務運営に関する原則」を策定しました。
1.は、適切。顧客本位の業務運営に関する原則では、金融事業者は顧客の知識・経験・資産状況・取引目的を把握し、顧客に適当な販売・推奨等を行うべきとしています。金融商品取引法においても同様の適合性の原則が定められていますが、顧客本位の業務運営に関する原則では、罰則を伴う法規制ではなく、金融事業者に自助努力を促すことを目的に、目指すべき方向性を示しています。
2.は、適切。顧客本位の業務運営に関する原則では、金融機関の自主的な取り組みを促進するために、金融庁が原則や規範を指し示すプリンシプルベース・アプローチを採用しています。
3.は、不適切。金融事業者が、顧客本位の業務運営に関する原則を採択する場合、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定・公表した上で、 その取組状況の公表と方針の見直しを定期的に実施することが必要です。
4.は、適切。金融事業者が、顧客本位の業務運営に関する原則を採択した上で、自らの状況等に照らして本原則を実施する場合はその対応方針を、またその一部を実施しない場合はその理由や代替策を十分に説明することが求められることなります。
従って正解は、3.
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