問2 2022年5月実技個人資産相談業務
問2 問題文
Aさんが2022年5月末日付でX社を退職して、個人事業主となった場合に、原則として65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額(2021年度価額)を計算した次の〈計算の手順〉の空欄(1)、(3)に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。また、空欄(2)に入る語句を、解答用紙の「される/されない」のいずれかから選び、適切なものを○で囲みなさい。計算にあたっては、《設例》の<Aさんとその家族に関する資料>および下記の<資料>を利用すること。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
〈計算の手順〉
1.報酬比例部分の額(円未満四捨五入)
( 1 )円
2.経過的加算額(円未満四捨五入)
□□□円
3.基本年金額(上記「1+2」の額)
□□□円
4.加給年金額(解答用紙の「される/されない」のいずれかを○で囲むこと)
Aさんの場合、加給年金額は加算( 2 )。
5.老齢厚生年金の年金額
( 3 )円
<資料>
○老齢厚生年金の計算式(本来水準の額)
i)報酬比例部分の額(円未満四捨五入)=(a)+(b)
(a)2003年3月以前の期間分
平均標準報酬月額×7.125/1,000×2003年3月以前の被保険者期間の月数
(b)2003年4月以後の期間分
平均標準報酬額×5.481/1,000×2003年4月以後の被保険者期間の月数
ii)経過的加算額(円未満四捨五入)=1,628円×被保険者期間の月数−780,900円×(1961年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数/480)
iii)加給年金額
390,500円(要件を満たしている場合のみ加算すること)
問2 解答・解説
老齢厚生年金の支給額に関する問題です。
老齢厚生年金額は、まず、報酬比例部分の年金額を求めます。
報酬比例部分=(平均標準報酬月額×乗率×2003年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×乗率×2003年4月以後の被保険者期間の月数)
問題にあるように、Aさんの2003年3月までの平均標準報酬月額28万円・被保険者月数120月で、2003年4月以降の平均標準報酬額42万円・被保険者月数230月です。
=280,000円×7.125/1000×120月+420,000円×5.481/1000×230月
=239,400?円+529,464.6??円
=768,864.6?円 → 768,865円(円未満四捨五入)
次に経過的加算額は、定額部分の年金額と老齢基礎年金の差額で、以下の計算式となります。
経過的加算額=定額部分−老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
※定額部分=1,628円×被保険者月数
※老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
=満額の基礎年金×(20歳以上60歳未満の被保険者月数(注))/(加入可能年数×12)
(注) 1961年4月以後の厚生年金
また、Aさんの「20歳以上60歳未満の被保険者月数」は、会社員だった120月+230月=350月です。
さらに、Aさんの加入可能年数は、20歳以上60歳未満の40年ですので、40年×12月=480月 です。
よって、定額部分=1,628円×350月=569,800?円
老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額=780,900円×350月/(40年×12)
=569,406.25?円 → 569,406円(円未満四捨五入)
従って、経過的加算額=569,800?円−569,406円=394?円
よって、老齢厚生年金の基本年金額=報酬比例部分+経過的加算
=768,865円+394?円
=769,259円
最後に、配偶者の加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上で、65歳未満の配偶者がいる場合には、老齢厚生年金に加給年金が加算されます。
支給条件は、上記に加えて、配偶者と生計維持関係にあること(配偶者の年収850万円以下)、配偶者が厚生年金の被保険者期間20年以上の老齢厚生年金等を受給していないこと、もあります。
Aさんの厚生年金の被保険者期間は350月(29年2ヶ月)で、妻Bさんとは生計維持関係にあり、妻Bさんは年金受給前ですので、加給年金の支給対象です。
よって、Aさんが受け取る老齢厚生年金額は、769,259円+390,500 円=1,159,759円 です。
以上により正解は、(1)768,865(円) (2)される (3)1,159,759(円)
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