問11 2019年1月実技生保顧客資産相談業務

問11 問題文と解答・解説

問11 問題文

Aさんの平成30年分の所得税の課税に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

(1)「養老保険の満期保険金に係る保険差損の金額は、所得税の確定申告をすることにより、不動産所得の金額と損益通算することができます」

(2)「 Aさんの平成30年分の合計所得金額は900万円以下となりますので、Aさんは38万円の配偶者控除の適用を受けることができます」

(3)「長女Cさんは特定扶養親族に該当しますので、Aさんが適用を受けることができる長女Cさんに係る扶養控除の額は63万円です」

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問11 解答・解説

所得税の損益通算・配偶者控除・扶養控除に関する問題です。

(1)は、×。生命保険の契約者(=保険料負担者)と保険金受取人が同じ場合、契約者自身が保険料を負担していた保険から給付金や保険金を受け取るわけですから、支払われる給付金・保険金は一時所得として所得税・住民税の課税対象となります。しかし、受け取った保険金が払込保険料総額を下回っていて損失が発生した場合でも、一時所得の損失は、他の所得と損益通算できないため、一時所得が損失(マイナス)となった場合、0円として取り扱います。

(2)は、○。平成30年分の所得税からは、配偶者控除の適用を受ける人の合計所得金額が900万円までは控除額38万円ですが、900万円超950万円以下では26万円、950万円超1,000万円以下では13万円と、段階的に控除額が下がり、1,000万円超で控除額0円となります(給与収入だけなら1,220万円以下なら配偶者控除を受けられます)。
Aさんは給与収入900万円ですので、給与所得控除を差し引くと、給与所得=900万円−(900万円×10%+120万円)=690万円です。不動産所得40万円と一時所得0円と合計しても900万円以下であり、妻Bさんに収入はないため、配偶者控除38万円の適用対象です。

(3)は、×。扶養控除は16歳以上が適用対象で、控除額は38万円なのに対し、特定扶養控除は、19歳以上23歳未満が適用対象で、控除額は扶養控除38万円に25万円上乗せした、63万円です。
また、いずれも生計同一で合計所得金額38万円以下(給与収入だけなら103万円以下)であることが必要です。
長女Cさんは17歳で収入0円ですので、特定扶養控除ではなく、扶養控除38万円が適用されます。

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