問2 2019年1月実技生保顧客資産相談業務
問2 問題文
《設例》の<Aさんとその家族に関する資料>および下記の<資料>に基づき、次の(1)、(2)を求め、解答用紙に記入しなさい(計算過程の記載は不要)。なお、年金額は平成30年度価額に基づいて計算し、年金額の端数処理は円未満を四捨五入すること。
(1)原則として、Aさんが65歳から受給することができる老齢基礎年金の年金額
(2)原則として、Aさんが65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額
<資料>
○老齢基礎年金の計算式(4分の1免除月数、4分の3免除月数は省略)
779,300円×(保険料納付済月数+保険料半額免除月数×○/□+保険料全額免除月数×△/□)/480
○老齢厚生年金の計算式(本来水準の額)
i)報酬比例部分の額(円未満四捨五入)=a+b
a:平成15年3月以前の期間分
平均標準報酬月額×7.125/1,000×平成15年3月以前の被保険者期間の月数
b:平成15年4月以後の期間分
平均標準報酬額×5.481/1,000×平成15年4月以後の被保険者期間の月数
ii)経過的加算額(円未満四捨五入)=1,625円×被保険者期間の月数−779,300円×昭和36年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数/480
iii)加給年金額=389,800円(要件を満たしている場合のみ加算すること)
問2 解答・解説
老齢基礎年金・老齢厚生年金の支給額に関する問題です。
老齢基礎年金額の計算式は、以下の通りです。
老齢基礎年金=満額の基礎年金×(納付済月数+免除分調整月数)/(加入可能年数×12)
まず、平成30年度の満額の基礎年金額は、779,300円。
次に、保険料納付済月数ですが、Aさんは20歳から26月間保険料未加入期間があり、それ以降の期間は厚生年金に加入しています。
免除期間は、全額免除や半額免除等、保険料の免除分に応じて免除月数に一定数を乗じて、調整計算しますが、未納期間や未加入期間は年金額に全く反映されません。
またAさんは昭和16年4月2日以降生まれですので、「加入可能年数」は40年です。
(昭和16年4月1日以前生まれの場合、加入可能年数は40年を下回ります。)
以上により、
Aさんの老齢基礎年金=779,300円×(228月+226月)/(40年×12)
=737087.916… → 737,088円(円未満四捨五入)
次に、老齢厚生年金額は、まず、報酬比例部分の年金額を求めます。
報酬比例部分=(平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数)
問題にあるように、Aさんの平成15年3月までの平均標準報酬月額30万円・被保険者月数228月で、平成15年4月以降の平均標準報酬額50万円・被保険者月数226月です。
=300,000円×7.125/1000×228月+500,000円×5.481/1000×226月
=487,350円+619,353円
=1,106,703円
次に経過的加算額は、定額部分の年金額と老齢基礎年金の差額で、以下の計算式となります。
経過的加算額=定額部分−老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
※定額部分=1,625円×被保険者月数
※老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
=満額の基礎年金×(20歳以上60歳未満の被保険者月数(注))/(加入可能年数×12)
(注) 昭和36年4月以後の厚生年金
また、Aさんの「20歳以上60歳未満の被保険者月数」は、会社員だった454月(226月+228月)です。
さらに、Aさんの加入可能年数は、20歳以上60歳未満の40年ですので、40年×12月=480月 です。
よって、定額部分=1,625円×(226月+228月)=737,750円
老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額=779,300円×(226月+228月)/(40年×12)
=737087.916…
従って、経過的加算額=737,750円−737087.916…円=662.083…円
→662円(円未満四捨五入)
よって、老齢厚生年金の基本年金額=報酬比例部分+経過的加算
=1,106,703円+662円
=1,107,365円
最後に、配偶者の加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上で、65歳未満の配偶者がいる場合には、老齢厚生年金に加給年金が加算されます。
支給条件は、上記に加えて、配偶者と生計維持関係にあること(配偶者の年収850万円以下)、配偶者が厚生年金の被保険者期間20年以上の老齢厚生年金等を受給していないこと、もあります。
Aさんの厚生年金の被保険者期間は454月(37年10ヶ月)で、妻Bさんとは生計維持関係にあり、妻Bさんは年金受給前ですので、加給年金の支給対象です。
よって、Aさんが受け取る老齢厚生年金額は、1,107,365円+389,800 円=1,497,165円 です。
以上により正解は、(1) 737,088(円) (2)1,497,165(円)
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