問9 2018年9月実技個人資産相談業務
問9 問題文
Aさんの平成30年分の所得税の算出税額を計算した下記の表の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
<資料>給与所得控除額
<資料>所得税の速算表
問9 解答・解説
所得税の算出税額に関する問題です。
所得税の算出税額を計算するには、まずその人の総所得金額を計算する必要がありますが、総所得金額は、大雑把に言うと、総合課税の所得を合計し、損益通算した後の金額です。
本問では、給与所得と不動産所得、一時所得(一時払終身保険の解約返戻金)は総合課税の対象です。
※一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約(満期による契約満了含む)した場合、金融類似商品として受取差益に20.315%の源泉分離課税となります(復興特別所得税を含む)。
ただし、金融類似商品の対象条件の一つとして、死亡保険金額が満期保険金額の一定倍率以下とされていますので、満期のない終身保険は該当しません。
本問の場合、契約から解約まで5年以内ですが、終身保険であるため、受け取った解約返戻金は、一時所得の収入として総合課税の対象です。
まず、給与所得=給与収入−給与所得控除で、Aさんの給与収入は1,000万円ですから、
給与所得=1,000万円−(1,000万円×10%+120万円)=780万円
次に、一時所得=収入額−収入を得るために支出した額−特別控除50万円 ですので、
一時所得=980万円−1,000万円−特別控除50万円=▲70万円
一時所得の損失は、他の所得と損益通算できないため、一時所得が損失(マイナス)となった場合、0円として取り扱います。
さらに、不動産・事業・山林・譲渡所得の損失は、給与所得や一時所得等の他の所得と損益通算できます。
ただし、不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損益通算できません。
つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということです。
よって、土地取得に要した負債の利子20万円は、不動産所得の損失▲150万円から除かれ、▲130万円となります。
よって、Aさんの総所得金額=給与所得+不動産所得+一時所得×1/2
=780万円+▲130万円+0円×1/2=650万円
従って、(1)の正解は、6,500,000(円単位)
次に、扶養控除は16歳以上が適用対象で、控除額は38万円なのに対し、特定扶養控除は、19歳以上23歳未満が適用対象で、控除額は扶養控除38万円に25万円上乗せした、63万円です。
また、いずれも生計同一で合計所得金額38万円以下(給与収入だけなら103万円以下)であることが必要です。
従って、長男Cさん(20歳)は収入0円で特定扶養控除の対象で、二男Dさん(14歳)は扶養控除の対象外です。
Aさんの扶養控除=63万円
よって、(2)の正解は、630,000(円単位)
次に、課税総所得金額、算出税額を計算して求めます。
課税総所得金額=総所得金額650万円−所得控除合計310万円=340万円
算出税額=課税総所得340万円×20%−42.75万円=25.25万円
よって、(3)の正解は、252,500(円単位)
以上により正解は、(1)6,500,000(円) (2)630,000(円) (3)252,500(円)
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