問2 2017年9月実技個人資産相談業務
問2 問題文
Aさんが、60歳でX社を退職し、その後再就職しない場合に、原則として65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額(平成29年度価額)を計算した次の空欄(1)、(2)に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。また、空欄(3)に入る語句を、解答用紙の「される/されない」のいずれかから選び、適切なものをマルで囲みなさい。計算にあたっては、《設例》および下記の〈資料〉を利用すること。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
1.報酬比例部分の額(円未満四捨五入)
( 1 )円
2.経過的加算額(円未満四捨五入)
( 2 )円
3.基本年金額(上記「1+2」の額)
□□□円
4.加給年金額(解答用紙の「される/されない」のいずれかをマルで囲むこと)
Aさんの場合、加給年金額は加算( 3 )。
5.老齢厚生年金の年金額
□□□円
〈資料〉
老齢厚生年金の計算式
@)報酬比例部分の額=a+b
a:平成15年3月以前の期間分
7.125 平均標準報酬月額×1,000×平成15年3月以前の被保険者期間の月数
b:平成15年4月以後の期間分
5.481 平均標準報酬額×1,000×平成15年4月以後の被保険者期間の月数
A)経過的加算額=1,625円×被保険者期間の月数−779,300円×{(昭和36年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数)/(加入可能年数×12)}
B)加給年金額=389,800円(要件を満たしている場合のみ加算すること)
問2 解答・解説
老齢厚生年金の支給額に関する問題です。
老齢厚生年金額は、まず、報酬比例部分の年金額を求めます。
報酬比例部分=(平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数)
問題にあるように、Aさんの平成15年3月までの平均標準報酬月額30万円・被保険者月数276月で、平成15年4月以降の平均標準報酬額45万円・被保険者月数175月です。
=300,000円×7.125/1000×276月+450,000円×5.481/1000×175月
=589,950円+431,628.75円
=1,021,578.75
→1,021,579円(円未満四捨五入)
次に経過的加算額は、定額部分の年金額と老齢基礎年金の差額で、以下の計算式となります。
経過的加算額=定額部分−老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
※定額部分=1,625円×被保険者月数
※老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
=満額の基礎年金×(20歳以上60歳未満の被保険者月数(注))/(加入可能年数×12)
(注) 昭和36年4月以後の厚生年金
ここで、Aさんの「20歳以上60歳未満の被保険者月数」は、会社員だった276月+175月=451月です。
さらに、Aさんの加入可能年数は、20歳以上60歳未満の40年ですので、40年×12月=480月 です。
よって、定額部分=1,625円×451月=732,875円
老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額=779,300円×451/(40年×12)
=732,217.29166…
従って、経過的加算額=733,326円−732,217.29166……円=657.708333…
→658円(円未満四捨五入)
よって、老齢厚生年金の基本年金額=報酬比例部分+経過的加算
=1,021,579円+658円
=1,022,237円
最後に配偶者の加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上で、65歳未満の配偶者がいる場合には、老齢厚生年金に加給年金が加算されますが、Aさんの厚生年金の被保険者期間は451月(37年7ヶ月)で、Aさんの年金支給開始時にBさんは65歳未満であるため加給年金の支給対象です。
よって、Aさんが受け取る老齢厚生年金額は、1,022,237円+389,800円=1,412,037円 です。
以上により正解は、(1)1,021,579(円) (2)658(円) (3)される
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