問11 2015年9月実技中小事業主資産相談業務
問11 問題文
甲土地に耐火建築物を建築する場合、容積率の上限となる延べ面積を、解答用紙の手順に従い、〔計算過程〕を示して求めなさい。〈答〉はu単位とすること。
問11 解答・解説
延べ面積の上限に関する問題です。
延べ面積の上限=土地面積×その土地の容積率 ですが、建ぺい率同様、建築物の敷地が、容積率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、敷地全体の延べ面積の上限は、「各地域の面積×各容積率」の合計となります。
ただし、容積率は、前面道路の幅が12m未満の場合に、用途地域によって制限されます。
計算式は、
住居系用途地域の場合……前面道路幅×4/10
その他の用途地域の場合…前面道路幅×6/10
この計算式結果と指定容積率を比べて、小さいほうが容積率の上限です。
問題文では道路が3mと8mの2つありますが、このような場合は広いほうの道路幅を前面道路とすることができます。
広いほうでも上記の制限の対象となりますので、容積率の計算は、
第1種住居地域部分:8m×4/10=320% > 指定容積率300%。
よって容積率は300%。
商業地域部分 :8m×6/10=480% < 指定容積率500%。
よって容積率は480%。
ここで、甲土地の接する幅員3m市道は、「建築基準法第42条2項道路」とあります。これは都市計画区域にある幅4m未満の道で、建築基準法上の道路とみなしているもの(2項道路)です。
2項道路の中心線から2m後退した線が、道路との境界線とみなされるため、みなし道路境界線と道までの部分(セットバック部分)は、容積率や建ぺい率の計算の際、敷地面積に算入されません。
セットバックで後退する距離は、現在の道路幅に対して、4mに足りない分の幅員の2分の1です。
本問の場合、幅員2mですから、セットバックした場合の後退距離は、
(4m−2m)÷2=1m
よって、第一種住居地域部分の面積=100u−(後退距離0.5m×間口20m)=90u
よって、延べ面積の上限は、
第一種住居地域部分:90u×300%=270u
商業地域部分 :400u×480%=1,920u
対象地の延べ面積上限:270u+1,920u=2,190u
以上により正解は、2,190 u
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