問1 2012年9月実技中小事業主資産相談業務
問1 問題文
ファイナンシャル・プランナーは,Aさんに対して,中小企業退職金共済制度(以下,「中退共」という)について説明した。中退共に関する次の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な語句を,下記の〈語句群〉のイ〜リのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。
中退共は,中小企業の事業主が「独立行政法人勤労者退職金共済機構」と雇用者(従業員)を被共済者とする退職金共済契約を締結して,退職金を社外に積み立てる社外準備型の退職一時金制度である。
中退共に加入できる企業の要件は,業種により異なり,常用従業員数または資本金・出資金の額について一定の条件を満たす必要がある。]社はサービス業に該当し,常用従業員( 1 )以下または資本金5,000万円以下の条件を満たしているので,中退共に加入することができる。
掛金は,被共済者(従業員)1人につき月額5,000円以上( 2 )以下(短時間労働者の場合は2,000円以上3万円以下)の範囲内で拠出する。短時間労働者も対象になるので,短時間で働くヘルパーにとっても好都合ではないかと考えられる。掛金は1万円までは1,000円刻み,1万円を超えると2,000円刻みとなる。また,掛金の総額を会社の損金に算入できる。
被共済者(従業員)が退職したとき,退職金が勤労者退職金共済機構から従業員に一時金として支給される。退職金が一定額以上,退職日の年齢が( 3 )以上などの要件を満たした場合は,退職金の全部または一部を分割払いにすることもできる。
〈語句群〉
イ.50人
ロ.100人 ハ.150人 二.3万円 ホ.4万円 へ.5万円
ト.55歳 チ.60歳 リ.65歳
問1 解答・解説
中小企業退職金共済(中退共)に関する問題です。
中退共は、中小事業主が(独)勤労者退職金共済機構との間で雇用者(従業員)を被共済者とする退職金共済契約を締結し、退職金の準備を図る共済制度です。
中退共に加入できる法人は業種により異なり、一定の要件(常用従業員数または資本金・出資金)を満たす必要があります。
サービス業の要件は、「常用従業員数100人以下または資本金・出資金5,000万円以下」ですので、]社はいずれの要件も満たしている(常用従業員30人、資本金1千円)ため、加入することができます。
中退共の掛金は、従業員1人につき月額5,000円以上30,000円以下(パートタイマーなどの短時間労働者の場合は2,000円以上4,000円以下)の範囲内で、事業主はその中から従業員ごとに任意に選択できます。
また、中退共は、原則従業員全員の加入が必要ですが、掛金は全額福利厚生費として損金算入できます。
被共済者(従業員)が退職すると、中退共の退職金は、法人を介さずに、直接中退共から従業員に支払われ、退職日に60歳以上で退職金が一定額以上の場合は、退職金の全部または一部を分割して受け取ることも可能です。
よって正解は、(1) 100人、(2) 3万円、(3) 60歳
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