問3 2012年1月実技中小事業主資産相談業務
問3 問題文
ファイナンシャル・プランナーは,Aさんが65歳から受給することができる年金見込額について,資料を提示しながら説明を行った。下記の〈Aさんの年金データ〉に基づき,Aさんが65歳から受給することができる年金額を求めなさい。
計算過程を示し,国民年金保険料は60歳に達するまで納付済として計算すること。また,年金額の端数処理は50円未満は切捨て,50円以上100円未満は100円に切上げとし,計算過程における端数処理は,円未満を四捨五入すること。
〈Aさんの年金データ〉
1.国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間 60月
2.厚生年金保険の被保険者期間月数
392月
3.報酬比例部分の年金額
1,047,710円
4.経過的加算額
241円
5.老齢基礎年金の額
***円
6.配偶者加給年金額
394,500円
※なお,***は問題の性質上,伏せてある。
問3 解答・解説
老齢基礎年金・老齢厚生年金の支給額に関する問題です。
Aさんが65歳から受給できる年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額です。
まず、65歳から受給できる老齢基礎年金の計算式は以下の通り。
老齢基礎年金=満額の基礎年金×(納付済月数+免除分調整月数)/(加入可能年数×12)
Aさんは昭和16年4月2日以降生まれですので、「加入可能年数」は40年です。
(昭和16年4月1日以前生まれの場合、加入可能年数は40年を下回ります。)
また、Aさんには免除分による調整はありませんが、大学在学中は公的年金に未加入ですので、会社員時代とその後の喫茶店マスター時代の加入期間の合計が、納付済月数となります。
よって、納付済月数は、392月+60月=452月 です。
以上により、Aさんの老齢基礎年金=788,900円×452月/(40年×12月)
=742880.83…≒742,881円←円未満四捨五入
≒742,900 円←50円未満切捨て、50円以上100円未満切上げ です。
次に、老齢厚生年金については、報酬比例部分・経過的加算・加給年金の全ての金額が問題に記載されていますが、まずは報酬比例部分と経過的加算額を合計し、基本年金額を求めます。
老齢厚生年金の基本年金額=報酬比例部分+経過的加算
=742,900 円+241 円=1,047,951 円
≒1,048,000 円←50円未満切捨て、50円以上100円未満切上げ です。
よって、老齢厚生年金の支給額=基本年金額+加給年金額
=1,048,000 円+394,500 円
=1,442,500 円
従って、
Aさんが受け取る年金額=老齢基礎年金+老齢厚生年金
=742,900 円+1,442,500 円
=2,185,400 円
※加給年金額を加算する前に、基本年金額を算出し、50円未満切捨て、50円以上100円未満切上げをするのがポイントです。
加給年金はオマケ的な存在なので、まずは報酬比例部分と経過的加算額を合計して基本年金額を出して切上げ・切捨てをするわけです。
こうしないと、奥さんを扶養しているというだけで、同じ掛け金を払った人よりも年金額が切り上げられたりしてしまうため、ちょっと不公平になってしまうのです。
(ただし、本問の数字では、全て合計してから切上げ・切捨てしても、年金額は変わりません。)
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