問27 2023年9月学科

問27 問題文と解答・解説

問27 問題文択一問題

金融派生商品に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.クーポンスワップは、異なる通貨間で将来の金利および元本を交換する通貨スワップである。

2.先物取引を利用したヘッジ取引には、将来の価格上昇リスク等を回避または軽減する売りヘッジと、将来の価格下落リスク等を回避または軽減する買いヘッジがある。

3.オプション取引において、コール・オプションの買い手は「権利行使価格で買う権利」を放棄することができるが、プット・オプションの買い手は「権利行使価格で売る権利」を放棄することができない。

4.オプション取引において、コール・オプションの売り手の最大利益とプット・オプションの売り手の最大利益は、いずれもプレミアム(オプション料)の額となる。

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問27 解答・解説

デリバティブ取引に関する問題です。

1.は、不適切。クーポンスワップは、金利を交換する金利スワップの一種で、元本を交換せずに将来にわたって異なる通貨の金利のみを交換する取引です(主に輸出入取引における為替の実需のヘッジに利用されます)。
異なる通貨間で一定期間、キャッシュフロー(金利と元本)を交換する取引は、通貨スワップで、為替変動リスクに対するヘッジとして、事前に満期時の受取通貨とレートを確定する目的で利用されることが多い取引です。

2.は、不適切。ヘッジ取引とは、買いポジションをもっているときに、決済せずに同時に売りポジションも設定(両建て)するといったように、現物と反対のポジションの先物やオプションを保有すること等で、価格変動リスク等を回避・軽減する取引です。
買いポジで損失が出ても、売りポジで利益が出るため、損失を相殺できるわけです。
ヘッジ取引において、将来の価格上昇リスク等を回避・軽減するのが買いヘッジであり、将来の価格下落リスク等を回避・軽減するのが売りヘッジです。

3.は、不適切。オプション取引では、「コール」、「プット」にかかわらず、買い手は権利を行使するか放棄するか自由に選択可能です。ただし、オプションの売り手は当初プレミアムを手に入れる代わりに、買い手の権利行使に応じる義務を放棄できません

4.は、適切。オプション取引では、「コール」、「プット」にかかわらず、買い手は権利を行使するか放棄するか自由に選択可能ですが、オプションの売り手は当初プレミアムを手に入れる代わりに、買い手の権利行使に応じる義務を放棄できません。このため、オプションの売り手の利益はプレミアム(オプション料)に限定されるのに対し、損失は理論上無限大となります。

よって正解は、4.

問26             問28

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