問22 2023年9月学科

問22 問題文と解答・解説

問22 問題文択一問題

わが国における上場投資信託(ETF)および上場不動産投資信託(J−REIT)の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.ETFは、非上場の投資信託と異なり、運用管理費用(信託報酬)は発生しない。

2.ETFを市場で売却する際には、信託財産留保額はかからない。

3.J−REITの分配金は、所得税の配当控除の対象となる。

4.J−REITは、一般に、信託財産の解約ができるオープン・エンド型の投資信託として設定されている。

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問22 解答・解説

ETF(上場投資信託)・J-REIT(不動産投資信託)に関する問題です。

1.は、不適切。ETF(上場投資信託)は、投資家による投信の申込や解約・売却が運用会社による株式の売買に直接影響せず、受益証券を投資家間で売買する形式であるため、売買時の証券会社への委託手数料が発生し、他の非上場の投信よりも低額の運用管理費用(信託報酬)が発生します。

2.は、適切。信託財産留保額は、投資家間の公平性を保つために、買付や換金に係る諸費用を買付代金に加算もしくは換金代金から差し引く金額ですが、ETFの売買は運用会社による株式の売買に直接影響せず、受益証券を投資家間で売買する形式であるため、ETF(上場投資信託)を市場で売却する際、証券会社への委託手数料が発生するものの、信託財産留保額はかかりません

3.は、不適切。J-REITの収益分配金は、配当控除の対象外です。
そもそも配当控除とは、法人税と所得税の二重課税を避けるため、設けられている制度です。
株の配当や投信の分配金は、企業が法人税を払った後の剰余金であるため、ここに所得税を課税すると、いったん税金を取った後のお金から、さらに税金を取る二重課税となってしまいます。
そこで、二重課税を回避するため、確定申告時に一定額を配当控除として差し引くわけです。
しかし、J-REITの収益分配金は、法人税を支払う前の利益を分配できる(分配金の損金算入可)ため、二重課税が発生しないことから、配当控除の対象外となっています。

4.は、不適切。追加型(オープン型、オープンエンド型)投信は、当初設定日以降も追加設定が行われ(追加購入可能)、従来の信託財産とともに運用される投資信託で、投資家の請求による払戻し(解約)が可能です。
これに対し単位型(ユニット型・クローズ型、クローズドエンド型)投信は、当初募集期間にのみ購入可能で、償還期限まで解約できない場合があります。
投資対象が不動産であるJ-REITの場合、投資家の解約や設定の希望に応じた不動産の売却・購入を行うことは困難であるため、解約に応じないクローズドエンド型の投信として設定されており、投資家は新規購入したり現金化したい場合には、随時市場で取引することになります。

よって正解は、2.

問21             問23

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