問3 2023年5月実技個人資産相談業務
問3 問題文
Mさんは、Aさんに対して、公的年金制度の遺族給付や障害給付について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。なお、各記述において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
(1)「仮に、Aさんが現時点(2023年5月28日)において死亡した後、長女Dさんの18歳到達年度の末日が終了し、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権が消滅した場合、妻Bさんが65歳に達するまでの間、寡婦年金が支給されます」
(2)「仮に、Aさんが障害を負い、その障害の程度が公的年金制度における障害等級1級と認定されて障害基礎年金を受給することになった場合、その障害基礎年金の年金額(2022年度価額)は、『777,800円×1.5+子の加算額』の算式により算出されます」
(3)「仮に、Aさんが障害を負い、その障害の程度が公的年金制度における障害等級3級と認定されて障害厚生年金を受給することになった場合、その障害厚生年金の年金額に配偶者の加給年金額は加算されません」
問3 解答・解説
遺族厚生年金の中高齢寡婦加算・障害基礎年金・障害厚生年金に関する問題です。
(1)は、×。夫死亡時に40歳以上で子のいない妻や、子があってもその子が遺族基礎年金における加算対象外となったときに40歳以上の妻には、65歳になるまで、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されます。
Aさんが46歳で死亡時、妻Bさんは45歳ですが子どもがいて遺族基礎年金の加算対象ですので中高齢寡婦加算はありませんが、長女Dさんが18歳になった年度末に、遺族基礎年金における加算対象外となった後に加算されます。
なお、寡婦年金は国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間(免除期間含む)が10年以上ある夫が死亡した場合、生計を維持されていた妻に対して60歳から65歳になるまで支給されるものです(10年以上継続した婚姻関係があることが必要)。
(2)は、×。障害基礎年金の本人分の支給額は、障害等級2級の場合は満額の老齢基礎年金と同額で、1級の場合は満額の老齢基礎年金の1.25倍です(つまり1級は2級の支給額の1.25倍)。
よって、2022(令和4)年度は2級は777,800円、1級は777,800円×1.25です。
さらに、障害基礎年金は、生計維持関係のある子供の人数に応じて、支給額が増加(子の加算)します。
※子の加算:第1子・第2子 各223,800円、第3子以降 各74,600円
(3)は、○。障害等級3級の場合、障害基礎年金の4分の3相当額の最低保障がある障害厚生年金が支給されます。ただし、1級・2級の障害者に生計同一で65歳未満の配偶者がいる場合には、障害厚生年金に配偶者加給年金が支給されますが、障害等級3級には支給されません。
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