問21 2023年5月学科
問21 問題文択一問題
為替相場や金利の変動要因等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.日本の物価が米国と比較して相対的に上昇することは、一般に円高米ドル安の要因となる。
2.米国が政策金利を引き上げ、日本と米国との金利差が拡大することは、一般に円安米ドル高の要因となる。
3.日本の対米貿易赤字が拡大することは、一般に円安米ドル高の要因となる。
4.日本銀行が、国債買入オペによって長期国債(利付国債)を買い入れ、金融市場に資金を供給することは、一般に市中金利の低下要因となる。
問21 解答・解説
マーケットの変動要因に関する問題です。
1.は、不適切。ある国で物価が上昇すると、その国の通貨価値が下がっているといえます。
よって、ある国よりも日本の物価の方が上昇していれば、長期的には、ある国よりも物価上昇している日本の通貨の価値が下がっていく、つまり円安外貨高要因となるわけです。
このように、外国為替レートは各国の物価水準の影響で決まるという説を、購買力平価説といいます。
ただし、直近の物価上昇率では日本よりも米国の方が大幅に上昇しているものの、政策金利の違い等により、円安ドル高となっています(購買力平価説によれば、今後長期的には円高ドル安になるはず、ということになります)。
2.は、適切。米国の金利が上昇し、日本との金利差が拡大していく過程では、今後高金利が見込まれる米国通貨の需要が高まるため、円安が進みやすくなります。
3.は、適切。ある外国と日本との輸出入において、日本からの輸出の割合が増加すると、外国企業はその国の通貨を売って日本円を買い、日本からの輸出商品を購入する割合が増えることから、日本の対外貿易黒字の拡大は、円の需要が高くなり円高外貨安が進む要因となります。
4.は、適切。公開市場操作とは、日銀が銀行と国債などを売買することで、金融市場への資金供給量や金利を調整することです。
買いオペは、日銀が銀行から国債などを買い取り、代金が銀行に支払われることから、通貨量が増加し、金利を低めに誘導する効果があります。
インフレ懸念時は金利を高めに誘導したいため、通常買いオペは実施されません。
よって正解は、1.
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