問9 2023年1月実技生保顧客資産相談業務
問9 問題文
Mさんは、長男Bさんに対して、生命保険の活用方法について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「経営者が要介護状態あるいは重度の疾患等で長期間不在となった場合、業績が悪化してしまう可能性も考えられます。そのため、長男Bさんが重い病気等になった場合にX社が一時金を受け取ることができる生前給付タイプの生命保険に加入されることも検討事項の1つとなります」
(2)「保険期間10年の定期保険は、長期平準定期保険に比べて保険料が割安なうえ、保険期間の途中で解約することで、多額の解約返戻金を受け取ることができるため、長男Bさんの役員(生存)退職金を準備する方法として適しています」
(3)「役員・従業員の退職金準備のために、養老保険の福利厚生プランを活用する方法があります。契約者をX社、被保険者を役員・従業員全員、死亡保険金受取人を役員・従業員の遺族、満期保険金受取人をX社とする養老保険に加入することにより、支払保険料の全額を福利厚生費として損金の額に算入することができます」
問9 解答・解説
法人の生命保険の経理処理・リスク管理に関する問題です。
(1)は、○。例えば、特定(三大)疾病保障保険は、三大成人病のガン・急性心筋梗塞・脳卒中にかかった場合に、死亡保険金と同額の特定疾病保険金が支払われる保険ですので、役員を被保険者とし、法人を保険金受取人とするような生前給付タイプの生命保険は、役員の長期入院等による信用不安や業績悪化が発生した場合の法人の資金需要への備えとして適切です。
(2)は、×。比較的割安な保険期間の短い定期保険に新規加入することで、高額保障を得ながら今後の保険料負担を軽減することができます。ただし、いわゆる掛け捨ての保険ですので、解約返戻金は少なく、被保険者が保険期間中に死亡した場合には死亡保険金が支払われますが、保険期間終了まで生存した場合には支払いはありませんので、長期平準定期保険のようなキャッシュバリュー(解約返戻金等の現在価値)は期待できません。
(3)は、×。ハーフタックスプラン(福利厚生プラン)とは、被保険者を全役員・従業員とし、満期保険金受取人=法人、死亡保険金受取人=役員・従業員の遺族とする養老保険で、支払保険料の2分の1を資産計上、残りの2分の1は福利厚生費として損金算入します。
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