問7 2023年1月実技中小事業主資産相談業務
問7 問題文
X社の当期の法人税における所得の金額の計算に関する以下の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。なお、本問において、法人税申告書別表四とは、当期利益の額を基として、加算・減算による申告調整を行うことによって所得の金額を計算する表(所得の金額の計算に関する明細書)である。また、所得の金額の計算上、選択すべき複数の方法がある場合は、所得の金額が最も低くなる方法を選択すること。
I 「 X社が支出した交際費等の金額2,600万円のうち、( 1 )万円を法人税申告書別表四で加算します」
II 「X社がAさんに売却した土地について、時価と実際に受け取った対価との差額の1,100万円を、法人税申告書別表四で( 2 )します」
III 「X社が支払った生命保険の保険料のうち、損金の額に算入することができる金額はその( 3 )に相当する金額であるため、800万円から当該金額を控除した金額を法人税申告書別表四で加算します」
〈語句群〉
イ.1,000 ロ.1,600 ハ.1,800 ニ.減算 ホ.加算
ヘ.2分の1 ト.3分の2 チ.4分の3
問7 解答・解説
法人税申告書別表四に関する問題です。
I 資本金1億円超の法人は、交際費のうち、飲食用の支出の50%まで損金算入可能で、資本金1億円以下の法人は、交際費のうち800万円まで、または飲食用の支出の50%までは損金算入することができます(有利な方を選択可能)。
よって、資本金1,000万円のX社は、交際費2,600万円のうち800万円を損金算入するか、接待飲食費2,000万円の50%である1,000万円を損金算入するかを選択可能です。損金算入額が多い(=損金不算入額が少ない)ほうが企業には有利ですから、接待飲食費のうち1,000万円まで損金算入を選択することになります。
従って、交際費2,600万円のうち、1,000万円を損金算入した残額の1,600万円を、法人税申告書別表四で申告調整(限度額を超えて支出した交際費の、当期利益への加算)します。
II 法人は役員に、本当はもっと高いはずの資産を格安で売っちゃったわけです。このような場合、法人側では時価で譲渡したものとされ、時価と売買価額の差額が役員給与として損金不算入となります。役員側では時価と売買価額との差額は、給与所得として課税されます。
よって、時価4,600万円の土地を3,500万円で売却したX社は、差額1,100万円が損金不算入として、法人税申告書別表四での申告調整(時価と売買価額の差額の、当期利益への加算)が必要です。
III ハーフタックスプラン(福利厚生プラン)とは、被保険者を全役員・従業員とし、満期保険金受取人=法人、死亡保険金受取人=役員・従業員の遺族とする養老保険で、支払保険料の2分の1を資産計上、残りの2分の1は福利厚生費として損金算入します。
よって、X社が支払った生命保険料800万円のうち、2分の1が福利厚生費として損金算入となり、法人税申告書別表四での申告調整(支払保険料額から損金算入額を控除した額の、当期利益への加算)が必要です。
以上により正解は、(1)ロ.1,600 (2)ホ.加算 (3)ヘ.2分の1
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