2級FP過去問解説　問58　2023年1月学科

Ａさんの相続が開始した場合の相続税額の計算における宅地の評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

１．Ａさんが、自己が所有する宅地の上に自宅を建築して居住していた場合、この宅地は自用地として評価する。

２．Ａさんの妹が、Ａさんが所有する宅地を使用貸借により借り受け、自宅を建築して居住していた場合、この宅地は自用地として評価する。

３．Ａさんが、自己が所有する宅地の上に店舗用建物を建築し、当該建物を第三者に賃貸していた場合、この宅地は貸宅地として評価する。

４．Ａさんが、自己が所有する宅地に建物の所有を目的とする賃借権を設定し、借地人がこの宅地の上に自宅を建築して居住していた場合、この宅地は貸宅地として評価する。

宅地と借地権の相続税評価に関する問題です。

１．は、適切。自用地とは、自分のために使用する土地のことですから、自己所有の土地に家屋を建築して居住していれば、当然自用地として評価します。

２．は、適切。地代を取らない使用貸借で借り受けた土地に、自宅を建築し、居住する場合の相続税評価額は、自用地となります。
使用貸借は地代を取らないため、土地の使用権は経済的価値が極めて低いと考えられ、相続税評価上はゼロと考えられるためです（借地権の価値ゼロ）。

３．は、不適切。貸宅地とは、第三者に貸し付けている宅地のことです。自分が所有する土地に建築した家屋を、他に貸し付けている場合の土地は、貸家建付地です。

４．は、適切。貸宅地とは、第三者に貸し付けている宅地のことですから、自己所有の宅地をBさんに貸して、Bさんが家屋を建てていれば、「土地の上に家屋があること」自体を借地権として評価し、土地は貸宅地として評価されます。
※借地権とは、第三者から土地を借りて、自己所有の建物を建てることができる権利です。

よって正解は、３．

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