問6 2022年9月実技中小事業主資産相談業務
問6 問題文
Mさんは、Aさんに対して、公募株式投資信託(分配金受取コース)を特定口座(源泉徴収あり)で購入し、1年後に解約した場合の受取額について説明した。下記の【条件】で、次回の分配金が出る前に、公募株式投資信託をすべて解約した際の受取額(税引後)を求め、解答用紙に記入しなさい(計算過程の記載は不要)。なお、計算過程において端数が生じる場合、円未満は切捨てとすること。
【条件】
・分配金受取コースを選択(決算頻度 年1回)
・購入時基準価額:11,000円
・購入時手数料:購入価額の2.2%(税込)
・買付口数:100万口
・購入時から解約時までに受け取った収益分配金(税引前)
:普通分配金 600円、元本払戻金(特別分配金)200円
・解約時基準価額:13,000円
・解約時の信託財産留保額:解約時の基準価額の0.5%
・税区分:課税扱いとし、税率は現行税率を適用すること
※条件中の金額は、1万口当たりの金額である。
※上記以外の条件は考慮しないものとする。
問6 解答・解説
投資信託解約時の受取額に関する問題です。
購入時11,000円だったものが解約時13,000円となっていて譲渡益が発生しており、源泉徴収有りの特定口座では証券会社が譲渡益に対する税金を源泉徴収(20.315%(所得税15%+地方税5%+復興特別所得税0.315%))するため、その分受取額が減ることになります。
まず、投信の売却益=換金額−取得価額 となります。
換金額については、換金時の基準価額13,000円(1万口当たり)が該当します。
次に取得価額とは、個別元本に販売手数料などの取得費用を加えた、投資金額のことです。
これに対し個別元本とは、同じ投資信託を追加購入した場合に、それぞれの口数に応じて加重平均した購入価格です。
ただし、本問の場合は当初1回だけ購入して1年後に解約ですので、取得価額=個別元本+販売手数料+信託財産留保額です。
さて、本問では元本払戻金(特別分配金)200円が発生していますが、特別分配金が発生すると、分配前の個別元本から特別分配金を差引いた金額が、新たな個別元本(分配後の個別元本)となります。
本問では投資信託を一括購入していますので、分配前の個別元本=購入時の基準価額11,000円です。
ここから元本払戻金(特別分配金)を差し引くと、新たな個別元本(分配後の個別元本)となりますので、
分配後の個別元本=11,000円−200円=10,800円
次に、投資信託を購入する場合、販売手数料がかかる場合があります(無料の投信(ノーロード投信)もあります。)。
販売手数料=投資信託の購入額×販売手数料率
本問では、「購入時手数料:購入価額の2.2%(税込)」で、購入時の基準価額11,000円/1万口です。
よって、購入時手数料は、
1,1000円×2.2%=242円
また、信託財産留保額は、投資家間の公平性を保つために、買付や換金に係る諸費用を買付代金に加算もしくは換金代金から差し引く金額ですが、解約時の信託財産留保額は解約時の基準価額の0.5%ですので、
信託財産留保額=13,000円×0.5%=65円
よって取得価額は、
取得価額=個別元本10,800円+販売手数料242円+信託財産留保額65円=11,107円
よって本問の投信の売却益は、
投信の売却益=換金額100万口×13,000円/1万口−取得価額100万口×11,107円/1万口
=189,300円
よって、源泉徴収税額=189,300円×20.315%=38,456円 ←円未満切捨て
従って、税引後の受取額=換金額100万口×13,000円/1万口−38,456円
=1,261,544円
最後に、信託財産留保額が換金代金から差し引かれますので、
解約時の受取額(税引後)=1,261,544円−100万口×13,000円/1万口×0.5%
=1,261,544円−6,500円=1,255,044円
以上により正解は、1,255,044(円)
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