問16 2022年9月学科
問16 問題文択一問題
契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険の保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれの保険契約も保険料は年払いかつ全期払いで、2022年4月に締結したものとする。
1.被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。
2.被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人および満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。
3.被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が75%である定期保険(保険期間:40年、年払保険料:100万円)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。
4.被保険者が役員、保険金受取人が法人である解約返戻金のない終身払いのがん保険(保険期間:終身、年払保険料:80万円)の支払保険料は、保険期間満了年齢を116歳とした保険期間の前半5割相当期間においては、その50%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。
問16 解答・解説
法人の生命保険の経理処理に関する問題です。
1.は、適切。死亡保険金受取人が法人である終身保険では、最終的に必ず法人が保険金を受け取ることができることから、支払保険料の全額を資産計上します。
2.は、適切。死亡・満期保険金受取人=法人とする養老保険では、最終的に必ず法人が保険金を受け取ることができることから、支払保険料の全額を資産計上します。
3.は、適切。定期保険と第三分野の保険における、最高解約返戻率70%超85%以下の保険商品では、原則として、支払保険料の資産計上期間は、保険期間における開始日から100分の40経過日(前半4割)まで、資産計上額は、当期に支払った保険料の100分の60(60%)とし、残額を損金算入します。また、資産計上期間終了後は、支払った保険料を期間の経過に応じて損金算入します。
4.は、不適切。定期保険と第三分野の保険における、最高解約返戻率が50%以下の契約については、支払保険料の全額を損金算入可能です。
よって正解は、4.
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