問57 2022年5月学科

問57 問題文と解答・解説

問57 問題文択一問題

相続税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.法定相続人が相続の放棄をした場合、その放棄をした者の人数を「法定相続人の数」に含めずに、相続税の計算における遺産に係る基礎控除額を計算する。

2.すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象とならない。

3.相続開始時の法定相続人が被相続人の配偶者のみで、その配偶者がすべての遺産を取得した場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、配偶者が納付すべき相続税額は生じない。

4.「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られ、いわゆる内縁関係にある者は該当しない。

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問57 解答・解説

相続税の計算方法に関する問題です。

1.は、不適切。相続税の基礎控除の計算上では、法定相続人は相続放棄があっても、「相続放棄はなかったもの」として扱われます

2.は、適切。被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の人が、相続や遺贈で財産を取得した場合、相続税額の2割相当額が加算されます。
一親等の血族とは、要は親子関係です。問題文のように、被相続人の孫が代襲相続すると親子扱いとなり、一親等の血族に当たるため、相続税の2割加算の対象外です。

3.は、適切。「配偶者に対する相続税額の軽減(相続税の配偶者控除)」は、被相続人の配偶者が財産を取得した場合に、法定相続分相当額、または1億6,000万円のいずれか高い方までは、相続税がゼロになる特例ですので、相続人が配偶者のみですべての遺産を相続する場合には、遺産の額にかかわらず、相続税は発生しません(相続人が1人だけのとき、法定相続分は1/1=つまり全遺産となるため)。

4.は、適切。配偶者の相続税額軽減(相続税の配偶者控除)の対象となる配偶者は、被相続人と婚姻届を提出していた者だけで、内縁関係にあった妻や愛人は含まれません。
よって、事実婚の人などはこうした優遇措置が受けられないわけです。

よって正解は、1.

問56             問58

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