問56 2022年5月学科
問56 問題文択一問題
民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.遺言は、満18歳以上の者でなければすることができない。
2.公正証書遺言を作成した者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することはできず、公正証書遺言によってのみ撤回することができる。
3.遺言による相続分の指定または遺贈によって、相続人の遺留分が侵害された場合、その遺言は無効となる。
4.公正証書遺言を作成する場合において、遺言者の推定相続人は、証人として立ち会うことができない。
問56 解答・解説
遺言に関する問題です。
1.は、不適切。遺言は、15歳以上で通常の判断能力があれば、可能です。
2.は、不適切。遺言の撤回は、遺言書の形式に関わらず可能なため、新しい遺言書が有効となります。
また、前の遺言が後の遺言と抵触する場合、抵触部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。
つまり、遺言者は、遺言の一部だけを撤回できます。後から気が変わって「やっぱりあいつには相続させたくない!」と思えばその部分だけ撤回できるわけです。
3.は、不適切。遺言による遺産分割方法の指定や遺贈により、相続人の遺留分が侵害された場合でも、遺言自体は有効です。
ただし、相続人が遺留分侵害額請求権を行使した場合には、侵害された遺留分については無効となります。
4.は、適切。公正証書遺言は、作成時に2名以上の証人の立会いが必要ですが、推定相続人や受遺者等は証人になれません(受遺者:遺言で財産を受け取る予定の人)。
つまり、遺言の内容に対して利害がある人(配偶者や親族等)は証人になれないわけです。
よって正解は、4.
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