問28 2022年5月学科
問28 問題文択一問題
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.ポートフォリオのリスクとは、一般に、組成されたポートフォリオの損失額の大きさを示すのではなく、そのポートフォリオの期待収益率と実際の収益率の乖離の度合いをいう。
2.異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数がゼロである場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減効果)は生じない。
3.ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。
4.ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。
問28 解答・解説
ポートフォリオ理論に関する問題です。
1.は、適切。ポートフォリオ理論では、予想収益率の平均値を期待収益率、予想収益率の期待収益率からのばらつき度合いをリスクと考え、通常、リスクは標準偏差で表します(標準偏差=平均との差)。
2.は、不適切。ポートフォリオのリスクは、組入資産間の相関係数が1でない限り、組入資産のリスクの加重平均を下回り、組入資産間の相関係数が1のときはリスクの加重平均と等しくなります。
相関係数が1=組入資産全てが正の相関=同じ値動き ですので、ポートフォリオを組んでもリスクは単に同じ値動きをする株を複数買ったのと同じで、分散投資の意味がありません。
相関係数が1より小さい=組入資産が無相関・負の相関=バラバラの値動き・逆の値動き となり、こういったポートフォリオを組むことで、単に加重平均した計算結果よりも全体としてリスクを抑えた投資を行うことが可能となります。
従って、相関係数が0(ゼロ)となる資産の組合せは、相関係数が正となる組み合わせよりもポートフォリオ効果は得られるものの、相関係数が負となる組合せと比べれば、リスク(標準偏差)の低減効果は小さいです。
3.は、適切。ポートフォリオの期待収益率=(各資産の期待収益率×組入比率)の総和 です。
つまり、各資産の期待収益率の単純な平均ではなく、ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率に投資している割合(組入比率)を加味して平均(加重平均)した値となります。
4.は、適切。ポートフォリオのリスクは、組入資産間の相関係数が1でない限り、組入資産のリスクの加重平均を下回り、組入資産間の相関係数が1のときはリスクの加重平均と等しくなります。
よって正解は、2.
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