問27 2022年5月学科
問27 問題文択一問題
金融派生商品に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.金融派生商品を利用する場合、現物取引を行った場合と同等の投資効果を得るには、現物取引よりも多額の資金を投入する必要がある。
2.現物価格の変動による利益と同額の利益が発生するように、現物と同じポジションの先物を保有することなどにより、価格変動リスク等を回避または軽減することを狙う取引を、ヘッジ取引という。
3.現物価格と当該現物を原資産とする先物の理論価格との間で価格差が生じた場合、割安な方を売り、割高な方を買うポジションを組み、その価格差を利益として得ることを狙う取引を、裁定取引という。
4.先物の将来の価格を予想してポジションを取り、予想どおりの方向に変動したときに反対売買を行って利益を確定することを狙う取引を、スペキュレーション取引という。
問27 解答・解説
デリバティブ取引に関する問題です。
1.は、不適切。金融派生商品(デリバティブ取引)は、証拠金を預けることで証拠金の何倍もの多額の取引が可能とするレバレッジ効果により、現物取引と同等の経済効果をより少ない資金で実現可能です。
つまり、本来100万円する銘柄でも、証拠金として30万円程度を預けることで、その数倍もする100万円の銘柄を取引することができるようになるため、より効率的な資金運用が可能です(リスクもその分増大します)。
2.は、不適切。ヘッジ取引とは、買いポジションをもっているときに、決済せずに同時に売りポジションも設定(両建て)するといったように、現物と反対のポジションの先物やオプションを保有すること等で、価格変動リスク等を回避・軽減する取引です。
買いポジで損失が出ても、売りポジで利益が出るため、損失を相殺・軽減できるわけです。
本問の場合は現物と同じポジションを先物で保有しているため、価格変動リスク等をより積極的に取り、現物だけでなく先物でも利益を得ようとする、信用取引の一種です(「2階建て」と呼ばれたりします)。
3.は、不適切。裁定取引(アービトラージ)とは、同一の価値である原資産の現物と先物で価格差が生じた際に、割高な方を売って割安な方を買うことで、両者の価格差で利益を得る取引です。本来は同一価値の商品に生じた、一時的な価格の歪みを狙う取引で、サヤ抜き・サヤ取りともいわれます。
4.は、適切。スペキュレーション取引(投機取引)とは、相場の動きを予想してポジションを取り、想定通りの方向に動いたら反対売買を行って利益を確定する取引です。
将来の値上がりを予想するなら買いポジを取り、値下がりを予想するなら売りポジを取って、買いポジなら売り決済、売りポジなら買い決済という反対売買を行い、差額が利益となります。
よって正解は、4.
関連・類似の過去問
この問題と似ている問題を検索してみよう!「検索」ボタンをクリック!
FP対策講座
<FP対策通信講座>
●LECのFP通信講座 ⇒ FP(ファイナンシャル・プランナー)サイトはこちら
●日本FP協会認定教育機関のWEB講座 ⇒ 2級FP技能士 (資格対策ドットコム)
●通勤中に音声学習するなら ⇒ FP 通勤講座
●社労士・宅建・中小企業診断士等も受けるなら ⇒ 月額定額サービス【ウケホーダイ】