問20 2022年5月学科
問20 問題文択一問題
生命保険を利用した家庭のリスク管理に係る一般的なアドバイスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.「自分が死亡した場合の相続税の納税資金を確保するために生命保険に加入したい」という相談に対して、終身保険への加入を提案した。
2.「病気やケガで入院した場合の医療費の負担が不安なので生命保険に加入したい」という相談に対して、定期保険への加入を提案した。
3.「自分の老後の生活資金を準備するために生命保険に加入したい」という相談に対して、個人年金保険への加入を提案した。
4.「自分が死亡した後の子どもが社会人になるまでの生活資金を準備するために生命保険に加入したい」という相談に対して、収入保障保険への加入を提案した。
問20 解答・解説
生命保険による個人のリスク管理に関する問題です。
1.は、適切。生命保険の契約者と被保険者が同じで、保険金受取人が異なる場合、支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として、相続税の課税対象となります。ただし、受取人が相続人となる場合は「500万円×法定相続人の数」までは非課税ですので、相続税の納税資金対策として有効です。
また、死亡保険金は、民法上は亡くなった人の財産(遺産)ではなく、保険金受取人の固有の財産とされるため、民法上の相続財産に含まれず、遺産分割協議の対象となりませんから、 特定の人に遺産を残したいといった遺産分割対策にも有効です。
2.は、不適切。定期保険は、いわゆる掛け捨ての保険ですから、解約返戻金は少なく、被保険者が保険期間中に死亡した場合には死亡保険金が支払われますが、保険期間終了まで生存した場合には支払いはありません。
よって、病気やケガで入院した場合の備えとしては不適切であり、医療費負担への不安への準備としては医療保険が適切です。
3.は、適切。個人年金保険は、要件を満たせば個人年金保険料控除により税負担を軽減可能であり、低リスクで確実な老後資金の準備方法の1つです。
4.は、適切。収入保障保険は、被保険者が死亡・高度障害状態となった場合の保険金を受け取る際、年金形式・一時金のどちらかを選択できる保険で、期間の経過に応じて死亡保険金額がだんだんと少なくなることから、保険料負担を抑えながら残された遺族の生活費の保障を準備するのに適切です。
よって正解は、2.
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