問9 2022年1月実技個人資産相談業務
問9 問題文
Aさんの2021年分の所得税における所得控除に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「Aさんが適用を受けることができる基礎控除の額は、38万円です」
(2)「Aさんが適用を受けることができる配偶者控除の額は、48万円です」
(3)「Aさんが適用を受けることができる長女Cさんに係る扶養控除の額は、63万円です」
問9 解答・解説
所得税の基礎控除・配偶者控除・特定扶養控除に関する問題です。
(1)は、×。従来は所得税の基礎控除は38万円でしたが、2020年分からは、所得税の基礎控除は納税者の合計所得金額が2,400万円以下であれば48万円となり、2,400万円以上になると段階的に控除額が引き下げられ、2,500万円超では0円です。
Aさんの合計所得金額は2,400万円以下(問7の退職所得355万円と総所得金額635万円の合計)ですので、基礎控除は48万円です。
(2)は、×。2020年分の所得税からは、所得税の配偶者控除は、生計同一で年間の合計所得額が48万円以下の配偶者であれば適用(基礎控除の10万円引き上げに伴い、合計所得金額のラインも引き上げ)されるため、収入が給与のみの場合、年収103万円以下(給与所得控除55万円適用後に48万円)であれば、配偶者控除の適用対象です。ただし、配偶者控除の適用を受ける人の合計所得金額が900万円までは控除額38万円ですが、900万円超950万円以下では26万円、950万円超1,000万円以下では13万円と、段階的に控除額が下がり、1,000万円超で控除額0円となります(給与収入だけなら1,220万円以下なら配偶者控除を受けられます)。
従って、給与収入80万円の妻Bさんは配偶者控除の対象であり、Aさんの合計所得金額は950万円超1,000万円以下(問7の退職所得355万円と総所得金額635万円の合計)ですので、配偶者控除13万円の適用対象となります。
(3)は、○。扶養控除は16歳以上が適用対象で、控除額は38万円なのに対し、特定扶養控除は、19歳以上23歳未満が適用対象で、控除額は扶養控除38万円に25万円上乗せした、63万円です。
また、いずれも生計同一で合計所得金額48万円以下(給与収入だけなら103万円以下)であることが必要です(基礎控除の10万円引き上げに伴い、合計所得金額のラインも引き上げ)。
よって、収入0円の長女Cさん(21歳)は特定扶養控除63万円の対象です。
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