問9 2021年9月実技個人資産相談業務
問9 問題文
Aさんの2021年分の所得税額を計算した下記の表の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、総所得金額の計算上、住宅借入金等特別控除の適用を受けるものとし、Aさんが所得金額調整控除の適用対象者に該当している場合、所得金額調整控除額を控除すること。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
<資料>給与所得控除額
問9 解答・解説
所得税の算出税額に関する問題です。
所得税の算出税額を計算するには、まずその人の総所得金額を計算する必要がありますが、総所得金額は、大雑把に言うと、総合課税の所得を合計し、損益通算した後の金額です。
本問では、給与所得は総合課税の対象です。
まず、給与所得=給与収入−給与所得控除 です。
よって、給与所得=1,000万円−195万円=805万円
ここで、所得金額調整控除は、基礎控除の10万円引き上げに伴う給与所得控除や公的年金等控除の10万円引き下げにより、扶養親族がいる人や給与と年金の両方を得ている人の負担増を生じさせないようにする控除です。
子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除は、給与収入(1,000万円超の場合は1,000万円)から850万円を控除した額の10%が、給与所得から控除されるもので、23歳未満の扶養親族や特別障害者を扶養する人が対象です。
→子ども・特別障害者の所得金額調整控除=(給与収入−850万円)×10%
Aさんには19歳で収入0円の長男Cさんがいますので、子ども・特別障害者の所得金額調整控除の対象です。
所得金額調整控除=(1,000万円−850万円)×10%=15万円
よって、Aさんの総所得金額=給与所得−所得金額調整控除
=805万円−15万円=790万円
従って、(1)の正解は、7,900,000(円単位)
次に、扶養控除は16歳以上が適用対象で、控除額は38万円ですが、特定扶養控除は、19歳以上23歳未満が適用対象で、控除額は扶養控除38万円に25万円上乗せした、63万円です。
また、いずれも生計同一で合計所得金額38万円以下(給与収入だけなら103万円以下)であることが必要です。
よって、19歳の長男Cさんは、特定扶養親族として特定扶養控除63万円の対象となります。
従ってAさんの扶養控除=63万円
従って、(2)の正解は、630,000(円単位)
最後に、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、「税額控除」ですので、所得金額を計算して算出された所得税額から、当該金額を差し引くことができます。
2021年の住宅ローン控除は、年末残高の上限が4,000万円、控除率1%です。
Aさんの場合、年末残高1,960万円×1%=19.6万円 が、住宅ローン控除額となります。
よって(3)の正解は、196,000(円単位)。
以上により正解は、(1)7,900,000(円) (2)630,000(円) (3)196,000(円)
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