問54 2021年9月学科
問54 問題文択一問題
相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となる。
2.被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税対象となる。
3.相続または遺贈により財産を取得しなかった者が、相続開始前に被相続人から相続時精算課税制度の適用を受けて贈与により取得した財産は、相続税の課税対象とならない。
4.相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税の適用を受けて贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。
問54 解答・解説
相続税の課税財産に関する問題です。
1.は、適切。貸付金や売掛金等の債権は、相続税の課税対象となり、原則として、返済されるべき金額(元本)と課税時期現在の既経過利息として支払いを受けるべき金額(利息)との合計で評価します。
2.は、適切。死亡後3年以内に支払が確定した退職手当金の場合、相続財産として相続税の対象となり、「500万円×法定相続人の数」まで非課税です。
なお、死亡から3年経過後に支払が確定した退職手当金等を遺族が受け取る場合、遺族の一時所得として所得税の対象です。
3.は、不適切。相続時精算課税の適用を受けると、相続人として財産を取得しない場合(相続放棄も含む)でも、贈与された財産は贈与時の価額で、相続税の課税価格に加算されます。
4.は、適切。相続や遺贈により財産を取得した場合、被相続人から相続開始前3年以内に贈与された財産は、相続税の課税価格に加算されます(加算される価額は、贈与時の価額)。
よって正解は、3.
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