問13 2021年5月実技資産設計提案業務
問13 問題文
浜松一郎さんが2020年中に支払った生命保険の保険料は下記<資料>のとおりである。浜松さんの2020年分の所得税の計算における生命保険料控除額として、正しいものはどれか。なお、下記<資料>の保険について、これまでに契約内容の変更はないものとする。また、2020年分の生命保険料控除額が最も多くなるように計算すること。
<資料>
[定期保険(無配当)]
契約日 :2012年4月1日
保険契約者 :浜松 一郎
被保険者 :浜松 咲子(妻)
死亡保険金受取人:浜松 一郎
2020年の年間支払保険料:72,640円
[個人年金保険(税制適格特約付)]
契約日 :2011年2月1日
保険契約者:浜松 一郎
被保険者 :浜松 一郎
年金受取人:浜松 一郎
2020年の年間支払保険料:150,380円
2020年の年間配当金 :なし
<所得税の生命保険料控除額の速算表>
(1)2011年12月31日以前に締結した保険契約(旧契約)等に係る控除額
○一般生命保険料控除、個人年金保険料控除
(2)2012年1月1日以降に締結した保険契約(新契約)等に係る控除額
○一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除
(注)支払保険料とは、その年に支払った金額から、その年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残りの金額をいう。
1.78,160円
2.83,160円
3.88,160円
4.93,160円
問13 解答・解説
生命保険料控除に関する問題です。
2010(平成22)年の法改正により、生命保険料控除は、一般・個人年金に加えて、介護医療保険料控除の3つになりました。
これにより、生命保険料控除の合計の上限は、所得税は10万円から12万円、住民税は5万円から7万円に変更されました。
具体的には、一般・個人年金・介護医療それぞれで、所得税4万円、住民税2万8千円の控除枠となりましたが、住民税の控除額は2万8千円×3=8万4千円とならず、7万円で切られてしまいます。
ただし、2011(平成23)年12月31日以前に締結した生命保険は、2012(平成24)年1月1日以降に契約転換や特約の中途付加を行わない限り、2011(平成24)年以降も旧生命保険料控除制度が適用されます。
従って本問の保険契約のうち、個人年金保険は旧生命保険料控除制度が適用され、個人年金保険料控除の対象となりますが、定期保険は新生命保険料控除制度が適用され、一般生命保険料控除の対象となります。
旧生命保険料控除は、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除のそれぞれで、最高所得税5万円・住民税3.5万円の所得控除枠があります。
ただし、上限額まで控除されるのは、どちらも年間の支払保険料が10万円超(住民税は7万円超)である場合のみで、それ以下の場合は支払保険料の額に応じて、一定額が控除されます。
本問では、個人年金保険で年間合計150,380円支払っていますので、
150,380円>100,000円 → 50,000円
また、定期保険では年間合計72,640円を支払っていますので、
72,640円×1/4+20,000円=38,160円
従って、浜松一郎さんが受けられる生命保険料控除額は、50,000円+38,160円=88,160円 です。
従って正解は、3.88,160円
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