問50 2021年3月学科
問50 問題文択一問題
不動産の投資判断手法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.不動産投資の際に行うデュー・デリジェンスとは、一般に、投資対象の経済的・法律的・物理的側面等に関する詳細かつ多面的な調査をいう。
2.借入金併用型投資では、対象不動産の収益率が借入金の金利を上回っている場合、レバレッジ効果が働き、投下した自己資金に対する収益率の向上が期待できる。
3.IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は投資適格であると判定することができる。
4.NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資額の現在価値の合計額が投資不動産から得られる収益の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は投資適格であると判定することができる。
問50 解答・解説
不動産の投資判断手法に関する問題です。
1.は、適切。不動産投資におけるデュー・デリジェンスとは、一般に、経済的(マーケティング)・法律的(権利関係)・物理的(土地建物の現況)側面等に照らして、対象不動産が投資に値する物件かどうか、詳細・多面的に調査することです。
デュー・デリジェンスは、不動産投資に限らず、M&A取引等でも行われます。
2.は、適切。レバレッジ効果とは、借入金を追加することで自己資金に対する投資利回りを上昇させる効果ですが、投資を行う際に投資利益率が借入金の利率よりも上回っている場合に有効です。
借金して投資する場合、投資がうまくいけば、借金すればするほど(レバレッジを上げるほど)、利益が大きくなるわけです(投資に失敗したときのリスクもまた大きいですが)。
3.は、適切。IRR法(内部収益率法)は、不動産投資の内部収益率と投資家の期待する収益率(期待収益率)とを比較して、投資の適否を判定する方法です。
期待収益率が内部収益率より高いと、その投資は不利だと判定し、逆に内部収益率が期待収益率を上回っているなら、その投資は有利だと判定します。
4.は、不適切。NPV法(正味現在価値法)は、資産が生み出す将来の収益の現在価値の合計から、初期投資額を差し引いて、投資の適否を判定する方法です。
つまり、初期投資額を引いてもプラスであれば、元本を超えて利益が出るということですから、収益合計よりも投資合計の方が小さい場合には、その投資は有利だと判定することになります。
よって正解は、4.
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