問12 2021年1月実技生保顧客資産相談業務

問12 問題文と解答・解説

問12 問題文

Aさんの2020年分の所得税の算出税額を計算した下記の表の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。



<資料>所得税の速算表

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問12 解答・解説

所得税の算出税額に関する問題です。

所得税の算出税額を計算するには、まずその人の総所得金額を計算する必要がありますが、総所得金額は、大雑把に言うと、総合課税の所得を合計し、損益通算した後の金額です。

本問では、給与所得と一時所得(終身保険と一時払変額個人年金保険の解約返戻金)は総合課税の対象です。
一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約(満期による契約満了含む)した場合、金融類似商品として受取差益に20.315%の源泉分離課税となります(復興特別所得税を含む)。
本問の場合、一時払個人年金保険は契約から5年超であるため、解約返戻金は一時所得の収入金額として総合課税の対象です。

さらに、一時所得は、総所得金額を算出する際に、その2分の1が合算対象です。

給与所得は既に700万円と明示されているため、ここでは一時所得を算出します。
一時所得=収入額−収入を得るために支出した額−特別控除50万円 ですので、
一時所得=(150万円+650万円)−(180万円+500万円)−特別控除50万円=70万円

よって、Aさんの総所得金額=給与所得+一時所得×1/2
             =700万円+70万円×1/2
             =700万円+35万円=735万円
従って、(1)の正解は、350,000(円単位)

次に、扶養控除は16歳以上が適用対象で、控除額は38万円なのに対し、特定扶養控除は、19歳以上23歳未満が適用対象で、控除額は扶養控除38万円に25万円上乗せした、63万円です。
また、2020年度分の所得税からは、いずれも生計同一で合計所得金額48万円以下(給与収入だけなら103万円以下)であることが必要です。
従って、アルバイトによる給与収入50万円の20歳の長男Cさんは、特定扶養親族として特定扶養控除63万円の対象となり、収入0円で17歳の二男Dさんは扶養控除38万円の対象ですが、15歳の三男Eさんは扶養控除の対象外です。
Aさんの扶養控除=63万円+38万円=101万円
よって、(2)の正解は、1,010,000(円単位)

また、従来は所得税の基礎控除は38万円でしたが、2020年分からは、所得税の基礎控除は納税者の合計所得金額が2,400万円以下であれば48万円となり、2,400万円以上になると段階的に控除額が引き下げられ、2,500万円超では0円です。
Aさんの合計所得金額は2,400万円以下ですので、基礎控除額は48万円です。
よって、(3)の正解は、480,000(円単位)

次に、課税総所得金額、算出税額を計算して求めます。
課税総所得金額=総所得金額735万円−所得控除合計320円=415万円
算出税額=課税総所得415万円×20%−42.75万円=40.25万円
よって、(4)の正解は、402,500(円単位)

以上により正解は、(1)350,000(円) (2)1,010,000(円) (3)480,000(円) (4)402,500(円)

問11             第5問

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