問57 2021年1月学科

問57 問題文と解答・解説

問57 問題文択一問題

宅地および宅地の上に存する権利に係る相続税における評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、評価の対象となる宅地は、借地権の取引慣行のある地域にあるものとする。また、宅地の上に存する権利は、定期借地権および一時使用目的の借地権等を除くものとする。

1.Aさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にAさん名義の自宅を建築して居住していた場合において、Aさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その賃借している宅地の上に存するAさんの権利の価額は、借地権として評価する。

2.Bさんが所有する従前宅地であった土地を、車庫などの施設がない青空駐車場として提供していた場合において、Bさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その土地の価額は、貸宅地として評価する。

3.Cさんが所有する宅地の上にCさん名義のアパートを建築して賃貸していた場合において、Cさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、そのアパートの敷地の用に供されている宅地の価額は、貸家建付地として評価する。

4.Dさんが、借地権の設定に際して通常の権利金を支払って賃借した宅地の上にDさん名義のアパートを建築して賃貸していた場合において、Dさんの相続が開始したときには、相続税額の計算上、その賃借している宅地の上に存するDさんの権利の価額は、貸家建付借地権として評価する。

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問57 解答・解説

宅地と借地権の相続税評価に関する問題です。

1.は、適切。借地権とは、第三者から土地を借りて、自己所有の建物を建てることができる権利ですので、土地を借りて自己所有の家屋を建てていれば、家屋の評価額とは別に、「土地の上に家屋があること」自体を借地権として評価します。
なお、権利金とは借地権設定した際に地主に払った一時金のことで、通常の権利金の支払いがある場合、最も一般的な借地権としての評価(自用地評価額×借地権割合)となります。

2.は、不適切。土地所有者が、所有する宅地を青空駐車場として賃貸している場合、借地権等は発生しない(土地利用を目的とした賃貸借ではなく自動車を保管する契約とされる)ため、自用地として評価します。
なお、コンクリートやアスファルト舗装等の構築物があれば、小規模宅地の特例により、貸付事業用として200uまで50%減額評価の対象です。

3.は、適切。貸家建付地とは、自分が所有する土地に建築した家屋を、他に貸し付けている場合の土地のことです(アパートを建てて賃貸している自分の土地)。

4.は、適切。土地を借りて、その上に貸家を建て、第三者に賃貸しているような場合、貸家の敷地となっている借地権は、貸家建付借地権として評価します。
貸家建付借地権の評価額=借地権価額−借地権価額×借家権割合×賃貸割合
           =自用地評価額×借地権割合×(1−借家権割合×賃貸割合)

よって正解は、2.

問56             問58

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