問55 2021年1月学科

問55 問題文と解答・解説

問55 問題文択一問題

各種金融資産等の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.外貨預金の邦貨換算については、原則として、取引金融機関が公表する課税時期における最終の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。

2.ゴルフ会員権のうち、株式の所有を必要とせず、かつ、譲渡できない会員権で、返還を受けることができる預託金等がなく、ゴルフ場施設を利用して単にプレーができるだけのものについては評価しない。

3.金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、発行価額と源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額によって評価する。

4.相続開始時において、保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、原則として、相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価する。

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問55 解答・解説

金融資産の相続税評価に関する問題です。

1.は、適切。相続税評価の際、外貨建て資産は円換算して評価することが必要ですが、原則としてその資産を取引している金融機関の課税時期におけるTTBレートで評価します。

なお、顧客が円を外貨に換える際の為替レートはTTSで、顧客が外貨を円に換える際の為替レートがTTBです(TTMは手数料上乗せ前のレート(仲値))。
TTS…「顧客が円売り」もしくは「銀行が外貨売り」ですので、「売り」=Sell
TTB…「顧客が円買い」もしくは「銀行が外貨買い」ですので、「買い」=Buy

2.は、適切。ゴルフ会員権のうち、株式の所有不要・譲渡不可・返還される預託金無し・ゴルフ場施設の利用のみ、という条件を全て満たすものについては、相続税・贈与税の課税対象外です(財産としての評価無し)。
なお、取引相場のあるゴルフ会員権は、課税時期(相続による財産取得時)の取引価格の70%で評価します。

3.は、不適切。金融商品取引所に上場されている利付公社債は、源泉徴収後の既経過利息(購入日から相続開始日までの利息)と課税時期の最終価格(市場価格)の合計で評価(券面額100円当たり)します。
利付公社債の相続税評価額=(課税時期の最終価格+源泉徴収後の既経過利息)×券面額/100円

4.は、適切。生命保険は、相続開始時に解約した場合に支払われる解約返戻金額で評価します。

よって正解は、3.

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