問12 2020年9月実技個人資産相談業務

問12 問題文と解答・解説

問12 問題文

甲土地と乙土地を一体とした土地(以下、「対象地」という)の有効活用に関する以下の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な語句を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

I 「 対象地の面する道路に付された『300C』『200C』の数値は、1u当たりの価額を千円単位で表示した相続税路線価です。数値の後に表示されている『C』の記号(アルファベット)は、借地権割合が( 1 )であることを示しています」

II 「 正面と側方に路線がある宅地(角地)の価額は、『(正面路線価×奥行価格補正率+側方路線価×奥行価格補正率×( 2 ))×地積』の算式により評価します。対象地の場合、正面路線は幅員8m市道になります」

III 「Aさんが対象地に賃貸マンションを建設した場合、相続税額の計算上、対象地は貸家建付地として評価されます。仮に、対象地の自用地価額を2億円、借地権割合( 1 )、借家権割合30%、賃貸割合100%とした場合、当該土地の相続税評価額は( 3 )となります」

〈語句群〉
イ.60% ロ.70% ハ.80% ニ.3,600万円 ホ.4,200万円
ヘ.1億5,800万円 ト.1億6,400万円 チ.側方路線影響加算率
リ.二方路線影響加算率 ヌ.不整形地補正率

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問12 解答・解説

路線価図・宅地の相続税評価に関する問題です。

I 路線価図には、各路線上に数字とアルファベットが記載されており、数字は路線価(1u当たり千円)、アルファベットは借地権割合で、A:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、F:40%、G:30%を示します。

II 奥行価格補正率とは、奥行が極端に短かったり長かったりする場合は宅地の利用が難しくなることから、評価額を調整するために定められています。
また、側方路線影響加算率とは、正面のみが路線に面している宅地よりも、正面と側面も路線に面している宅地(角地)の方が利用しやすいため、評価額を調整するために定められています。

側方路線に面する宅地の自用地評価額=(A+B)×敷地面積
A:正面路線価×奥行価格補正率
B:側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率

つまり、奥行価格補正後の正面路線価に、奥行価格補正率と側方路線影響加算率を乗じた側方路線価を加算して求めます。
なお、正面路線とは、奥行価格補正後の金額が高い方の路線です。

奥行価格補正率は0.80〜1.00であるため、資料の宅地では、補正率の差が最大であったとしても、正面路線は路線価300,000円の幅員8m市道の方です。

III 自分が所有する土地に建築した家屋を、他に貸し付けている場合、建物は貸家、土地は貸家建付地として評価され、自用地評価よりも借地権や借家権の割合分が減額された相続税評価額となります(自分の土地にアパートを建てて賃貸している等)。

評価額の計算式は以下の通り。
貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

よって、借地権割合70%、借家権割合が30%、賃貸割合100%の場合、
貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1−70%×30%×100%)
         =2億円×(1−0.7×0.3×1.0)
         =1億5,800万円

以上により正解は、(1)ロ.70% (2)チ.側方路線影響加算率 (3)ヘ.1億5,800万円

問11             第5問

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