問15 2020年1月実技中小事業主資産相談業務

問15 問題文と解答・解説

問15 問題文

X社株式の評価に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

(1)X社の従業員数が70人以上になり、X社の規模区分が「大会社」となった場合、同族株主が取得するX社株式の価額は、原則として類似業種比準価額によって評価することになるため、相続税評価額を引き下げることができる。

(2)配当を記念配当や特別配当などの非経常的な配当とすることにより、X社の配当金額を引き下げることができ、類似業種比準価額を引き下げる効果が期待できる。

(3)Aさんの勇退にあたり、X社がAさんに対して役員退職金を支給することにより、X社の利益金額および純資産価額を引き下げることができ、類似業種比準価額を引き下げる効果が期待できる。

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問15 解答・解説

非上場株式の相続税評価方式と引下げ対策に関する問題です。

(1)は、×。非上場株式の相続税評価額を算定する際、直前期末以前1年間の従業員数が70人以上の会社は、「大会社(類似業種比準方式の斟酌率0.7)」となり、原則として類似業種比準方式で評価します。
X社の場合、他の条件が変わらず斟酌率が0.6から0.7となった場合、相続税評価額=450円×1.20×0.7×1=378円となるため、中会社のままで併用方式で評価した345円のほうが、相続税評価額は低く、大会社になっても引き下げ効果はありません。

(2)は、○。類似業種比準方式では、1 株当たりの「配当金額、利益金額、純資産価額」を比準要素として評価額を決定するため、配当・利益・純資産を押し下げると、評価額の引き下げにつながります。
さらに、記念配当や特別配当は、類似業種比準価額の比準要素の計算に含まれないため、配当により会社の純資産が減少しても、比準要素の配当金額は変わりません。よって、記念配当や特別配当の実施・増額は、評価額を引き下げる効果があります。

(3)は、○。役員退職金を支給すると、会社の利益と純資産が減少しますから、評価額の引き下げ効果があります。

問14             目次

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