問1 2019年9月実技損保顧客資産相談業務

問1 問題文と解答・解説

問1 問題文

はじめに、Mさんは、Aさんに対して、Aさんが受給することができる公的年金制度からの老齢給付について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な数値を、《設例》の<Aさん夫妻に関する資料>および下記の<資料>に基づき、解答用紙に記入しなさい。なお、年金額は2019年度価額に基づいて計算し、年金額の端数処理は円未満を四捨五入すること。

「老齢厚生年金の支給開始年齢は原則として65歳ですが、経過措置として、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、かつ、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あることなどの所定の要件を満たしている方は、65歳到達前に特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。1960年11月生まれのAさんは、原則として、( 1 )歳から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができます。
Aさんが65歳に達すると、特別支給の老齢厚生年金の受給権は消滅し、新たに老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権が発生します。Aさんが65歳から受給することができる老齢基礎年金の額は、( 2 )円です。
また、65歳から支給される老齢厚生年金には、Aさんの厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり、かつ、Aさんと生計維持関係にある妻Bさんが厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある老齢厚生年金等を受給していないため、妻Bさんが65歳に達するまでの間、配偶者の加給年金額が加算されます。したがって、Aさんが65歳から受給することができる老齢厚生年金の額は、( 3 )円となります」

<資料>
○老齢基礎年金の計算式(4分の1免除月数、4分の3免除月数は省略)
780,100円×{(保険料納付済月数+保険料半額免除月数×□/□+保険料全額免除月数×□/□)/480}

○老齢厚生年金の計算式(本来水準の額)
i)報酬比例部分の額(円未満四捨五入)=a+b
a:2003年3月以前の期間分
平均標準報酬月額×7.125/1,000×2003年3月以前の被保険者期間の月数
b:2003年4月以後の期間分
平均標準報酬額×5.481/1,000×2003年4月以後の被保険者期間の月数

ii)経過的加算額(円未満四捨五入)=1,626円×被保険者期間の月数−780,100円×(1961年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数/480)

B)加給年金額=390,100円

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問1 解答・解説

特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢と老齢基礎年金・老齢厚生年金の支給額に関する問題です。

特別支給の老齢厚生年金は、1959(昭和34)年4月2日〜1961(昭和36)年4月1日生まれの男性に対して、64歳〜65歳になるまで報酬比例部分が支給されます。
<報酬比例部分の支給開始年齢>(女性は各5年遅れ)
・昭和28年4月1日以前生まれ………………………60歳
・昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日生まれ……61歳
・昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日生まれ……62歳
・昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれ……63歳
・昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日生まれ……64歳
1961(昭和36)年4月2日以降生まれ(女性は1966(昭和41)年4月2日以降)は特別支給の厚生年金なし

設例では、Aさんの生年月日は1960年11月14日とありますので、報酬比例部分の支給が64歳から開始されます。

次に、老齢基礎年金額の計算式は、以下の通りです。
老齢基礎年金=満額の基礎年金×(納付済月数+免除分調整月数)/(加入可能年数×12)

まず、2019年度の満額の基礎年金額は、780,100円。
次に、保険料納付済月数ですが、Aさんは20歳からの29月が国民年金未加入間で、その後22歳から60歳まで厚生年金に加入予定です。
老齢基礎年金の支給額にカウントされるのは、20歳以上60歳未満の加入期間で、免除期間は、全額免除や半額免除等、保険料の免除分に応じて免除月数に一定数を乗じて、調整計算しますが、未納期間や未加入期間は年金額に全く反映されません

またAさんは昭和16年4月2日以降生まれですので、「加入可能年数」は40年です。
(昭和16年4月1日以前生まれの場合、加入可能年数は40年を下回ります。)

以上により、
Aさんの老齢基礎年金=780,100円×{(240月+211月)/(40年×12)}
          =780,100円×(451月/480)
          =732,968.9… →732,969円(円未満四捨五入)

次に、老齢厚生年金額は、まず、報酬比例部分の年金額を求めます。
報酬比例部分=(平均標準報酬月額×乗率×2003年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×乗率×2003年4月以後の被保険者期間の月数)

問題にあるように、Aさんの2003年3月までの平均標準報酬月額30万円・被保険者月数240月で、2003年4月以降の平均標準報酬額50万円・被保険者月数211月です。
=300,000円×7.125/1000×240月+500,000円×5.481/1000×211月
=513,000円+578,245.5円
=1,091,245.5円 → 1,091,246円(円未満四捨五入)

次に経過的加算額は、定額部分の年金額と老齢基礎年金の差額で、以下の計算式となります。
経過的加算額=定額部分−老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
※定額部分=1,626円×被保険者月数
※老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
 =満額の基礎年金×(20歳以上60歳未満の被保険者月数(注))/(加入可能年数×12)
(注) 1961年4月以後の厚生年金

また、Aさんの「20歳以上60歳未満の被保険者月数」は、会社員だった240月+211月=451月です。
さらに、Aさんの加入可能年数は、20歳以上60歳未満の40年ですので、40年×12月=480月 です。

よって、定額部分=1,626円×451月=733,326円
老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額=780,100円×451月/(40年×12)
=732,968.9…円

従って、経過的加算額=733,326円−732,968.9…円
=357.1…円 → 357円(円未満四捨五入)

よって、老齢厚生年金の基本年金額=報酬比例部分+経過的加算
=1,091,246円+357円
=1,091,603円

最後に、配偶者の加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上で、65歳未満の配偶者がいる場合には、老齢厚生年金に加給年金が加算されます。
支給条件は、上記に加えて、配偶者と生計維持関係にあること(配偶者の年収850万円以下)、配偶者が厚生年金の被保険者期間20年以上の老齢厚生年金等を受給していないこと、もあります。
Aさんの厚生年金の被保険者期間は451月(37年7ヶ月)で、妻Bさんとは生計維持関係にあり、妻Bさんは年金受給前ですので、加給年金の支給対象です。

よって、Aさんが受け取る老齢厚生年金額は、1,091,603円+390,100 円=1,481,703円 です。

以上により正解は、(1) 64(歳) (2)732,969(円) (3)1,481,703(円)

第1問             問2

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