問9 2019年9月実技生保顧客資産相談業務
問9 問題文
Mさんは、Aさんに対して、《設例》の<資料2>の無配当低解約返戻金型終身保険について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「当該生命保険は低解約返戻金型ではない終身保険に比べて保険料払込期間中の解約返戻金の水準が低く設定されているため、保険料払込期間の途中で解約とならないよう、継続的な支払が可能な保険料を設定してください」
(2)「当該生命保険の支払保険料は、その全額を資産に計上します。仮に、保険料払込期間満了時に長男Bさんが死亡した場合、X社はそれまで資産計上していた保険料積立金4,400万円を取り崩し、死亡保険金5,000万円との差額600万円を雑収入として経理処理します」
(3)「X社が保険期間中に資金を必要とした場合、契約者貸付制度を利用することにより、当該生命保険を解約することなく、資金を調達することができます。X社が契約者貸付金を受け取った場合、当該生命保険契約は継続しているため、経理処理は必要ありません」
問9 解答・解説
終身保険・契約者貸付の経理処理に関する問題です。
(1)は、○。低解約返戻金型の終身保険とは、保険料払込期間などの解約返戻金減額期間における解約返戻金額が一般的な終身保険より低い終身保険ですので、途中解約にならないように継続的に負担可能な保険料額に設定することが必要です。
(2)は、○。死亡保険金受取人=法人とする終身保険では、最終的に必ず法人が保険金を受け取ることができることから、支払保険料の全額を資産計上します。保険料払込期間満了時に被保険者が死亡した場合、それまで資産計上していた保険料積立金を取り崩し、死亡保険金との差額を雑収入(または雑損失)として計上します。
本問の場合、保険料払込期間は65歳満了で、65歳までの払込保険料累計額4,400万円ですから、4,400万円全額が資産計上されています。よって、被保険者である長男Bさんの死亡時には資産計上額を取り崩し、死亡保険金5,000万円との差額600万円を雑収入として計上します。
(3)は、×。法人に急な資金需要が発生した場合には、契約者貸付制度により解約返戻金の最大90%まで融資を受けることが可能です。また、法人が契約者貸付金を受け取った際は、借入金として負債に計上します。
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