問59 2019年5月学科
問59 問題文択一問題
遺産分割対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.公正証書遺言により遺産分割方法を指定しておくことは、遺産分割における相続人間のトラブルの発生を防止する対策として効果的である。
2.分割が困難な土地を所有している場合に、相続開始前に相続人間で分割がしやすい資産に入れ替えておくことは、遺産分割対策として効果的である。
3.被相続人が生前に推定相続人と話し合い、相続の放棄をする旨を家庭裁判所に申述させることは、遺産分割対策として効果的である。
4.代償分割を予定している場合、特定の財産(遺産)を取得する相続人は、他の相続人に対して代償債務を負担しなければならないため、相続開始前に代償債務の履行財源(現金その他の財産)を確保しておくことが望ましい。
問59 解答・解説
遺産分割に関する問題です。
1.は、適切。公正証書遺言は、遺言書の原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざん等のおそれがなく、安全性が高いことから、遺留分等を考慮した公正証書遺言は、将来の遺産分割争いの防止する遺産分割対策として有効です。
※遺留分を考慮しておかないと、相続人が遺留分減殺請求権を行使した場合には、侵害された遺留分については無効となってしまいます。
2.は、適切。遺産の大部分を不動産が占める場合、遺産分割が困難なため、相続開始前に不動産を売却し分割しやすい金融資産にしておくことは、遺産分割対策として有効です。
3.は、不適切。相続人は、相続の開始前(被相続人の生前)に相続の放棄をすることはできません。
4.は、適切。代償分割は、共同相続人のうち特定の者が被相続人の遺産を取得する代わりに、その他の相続人に代償として資産を交付(遺産をもらう代わりに財産を分け与える)するという代償債務を負うことになるため、相続開始前に現金等の履行財源を確保しておく必要があります。
よって正解は、3.
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